相手の立場に立った下足番
靴の写真がトップにあるからと言って、靴屋さんの話ではありません。
今日は、久々に相手軸のお話しです。
阪急電鉄・阪急百貨店・阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の、創業者として知られる小林一三氏。
氏の有名な名言に
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」
と言うのがあります。
では、日本一の下足番とはどう言う仕事ぶりなんでしょうか?
先日受講したあるセミナーで、講師が、この話をして受講者からアイデアを集めた所、
旅館だったら、お客様の名前を全て覚えていて、そのお客様の姿が見えると、言われるまでもなくさっと靴を用意する。
預かった靴の汚れを落とし、磨いて、預かったときよりも綺麗な状態でお返しする。
お出かけの際に、旅館の周辺地図をお渡しする。
靴屋さんのように、紐を結んで差し上げる。
色んな意見、アイデアが出ました。
そして、一番多かったアイデアが、
「ファブリーズ(リセッシュ)を吹きかけて消臭してあげる」
と言うものでした。
私も、そう思ったので、同じ意見だという方、と言われたときに手を挙げました。
しかし、セミナー講師が次に言った言葉で、私は、あ、しまった!と思ったのです。
「あなたがお客様だとして、あなたが脱いだ靴を、下足番の方が、あなたの背後で、あなたの靴に、シュッシュッとファブリーズをかけたらどう思いますか?」
実に嫌な気分になります。
そんなに臭いのか!俺の靴は!!(笑)
もちろん、ありがたい、嬉しいと感じる方もおられれるでしょう。
もちろん、お客様の見えない所で手入れする、という方法もあると思いますが、ここで感じたこと、講師が伝えたかったことは、
「自分がよかれと思っても、自分ならば嬉しいこと思っても、、相手の為を思ってやったことでも、必ずしも相手が嬉しいとは限らない」
と言うことでした。
私達は、普段物事を判断するとき、そのほとんどは「自分軸」で考えます。
自分が受けることならばそれで良いのですが、相手の為に行うときに、自分軸で考えていたら、大変失礼なことをしてしまうことがあります。
「自分がして欲しいことを相手にする」
「自分がして欲しくないことは相手にはしない」
これは基本中の基本。
でも、相手は自分とは同じではありません。
私には、考えるだけで相手の気持ちが解るような、そんなエスパーのような、すごい能力はありません。
「相手がして欲しいことを相手にする」
「相手がして欲しくないことは相手にはしない」
このレベルを正しく実現させるには、相手に聴くしかありません。
と言うか、聴けばいいのです。
この聴くと言うことを面倒くさがるので、自分勝手、と言う状況に陥ります。
決して自分勝手な考えではないつもりなのに、そう思われちゃうのは、聴かないから、なんですね。
お客様に満足して頂く為に、色々考える私達ですが、ちょっと、お客様にも直接お聞きする機会を持って、して欲しいことをして差し上げられるようにしていきたいですね。
PS:ただし・・・相手の為に「指摘を行う」「意見を言う」と言うときは、必ずしもこの考えが、一番うまく行くとは限りません。
それについては、また別の機会にお話ししたいと思います。
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年07月06日
- 08:25
- コメント(2)
この記事へのコメント
この記事へコメントする