前向きな行動には、強い感染力がある
チーム全員が「お客様目線」を持つ為に、
同じ会社のライバル店を自主的に覆面調査している店長達がいます。
その会社は、2ヶ月に1回、業者に依頼して店舗のサービス力の覆面調査をしています。
2ヶ月に1回ですから、いつ来るか解りません。
最初は、覆面調査対策として、調査員らしきお客様を見つけたら厳戒態勢を取っていたりしていました。
月初めの1週間が、要注意日だと予測して、店長が店に張り付いていた店舗もありました。
やがて、そういうことではないな、と気がつき始めた店長が出てきました。
覆面調査員を満足させるのが仕事ではない。
全てのお客様に満足して頂くことが大切なんだ、と。
ごくごく当たり前のことですが、覆面調査が人事評価に使われると、現場は直接的な対策を取りたくなるのです。
しかし、そうではないと、気がついた店長は、行動と改善の進化スピードが速くなります。
自分達が、お客様目線を持たないと、お客様に満足して頂けるサービスは出来ない、と。
そう思った、ある店長は、自社のお客様評価の高い店舗、つまり自社の最高のライバル店を見に行くようになったのです。
他の店には、自分お店にはない工夫や、手本となるサービスがあります。
それを店長がポジティブに探しに行くのです。
やがて、その店長のお店は、店長だけではなく、パートアルバイトも、他店舗を見に行くようになったのです。
スタッフが自主的に他店舗を見て、勉強し、刺激を受けようとする店は、どんどんレベルが上がります。
更に、その店は、店舗ミーティングで、「私達がお客様になって、自店舗の覆面調査をしてみよう」と言い出したのです。
覆面調査をされるだけではなく、自分達がお客様の気持ちになって、お店を見てみよう、と言うことです。
そして、その行動・意識は、自店舗の調査だけではなく、近隣店舗の調査もやってみよう!と言うレベルに達したのです。
更に、調査した覆面調査レポートは、店長がまとめて、エリア会議で、調査を受けた店長にフィードバックするようになったのです。
その後は想像出来ますよね。
今度は、自主調査を受けた店長が、覆面調査をしてくれた店舗にお返しに、覆面調査をするようになり、
とうとう、そのエリアの全店舗が、お互いの店舗の覆面調査をするようになったのです。
最初は、本社の監視のように感じていた覆面調査でした。
今では、自分達で自主的に、お客様の立場に立つ為の覆面調査に成長したのです。
前向きな行動には、強い感染力があります。
チームメンバーの主体的な、行動は、エリア全体を主体的にします。
リーダーのポジティブな行動、言動は、メンバーをポジティブにします。
さて、この自主的な覆面調査には、ルールがあります。
「良い所を見つけてほめる」
「更に良くなる為には、ここを成長させて欲しい、と愛を込めてフィードバックする」
「常にポジティブに表現する」
というルールがあるのです。
何故、このエリアの店長やスタッフ達が、このような主体的でポジティブな行動を取るようになったのでしょうか?
答えは簡単です。
このエリアを担当する、スーパーバイザーが、常にポジティブだからです。
曇りのない、裏表のないポジティブマインドは、更に強い感染力を持っています。
スタッフの主体性を引き出すのは店長の仕事です。
店長の主体的な行動を引き出すのは、スーパーバイザーの仕事です。
おそらく近い将来、このエリアのポジティブな行動は、もっと広いエリアに、広がっていくことでしょう。
このエリアだけでなく、この会社の成長が非常に楽しみです。
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年09月23日
- 08:30
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