「相手軸な話」③協力者に期待する「相手軸」
「お前の話は、なんか良くわからんわ」
ある会社の社長は、なんだかつまらなさそうに言ったのでした。
それを聞いてちょっとムッとした友人は、
「俺の提案しているプロジェクトが気に入らないんだったら別に協力してくれなくてもいい!」
と思ったのですが、そこは大人。ぐっとこらえてその場を去りました。
彼は、新しいビジネスについて、協力してくれそうな会社の社長に投資協力の提案をしたのでした。
しかし、社長は、はっきりとした返事はしません。
それで、彼は苛立っていたのです。
私は、事務所に戻ってきた彼と話をしました。
彼「あの社長、最初は良い話だと言うんだよ。
けれど、肝心な所で話が良く見えないって・・・ああ腹が立つ!」
私「あのね、私の感じていること言っていいですか?」
彼「あ、どうぞ」
私「私も、あなたの提案しているビジネスの軸がいまいち良く理解出来ません。」
彼「え?」
私「でも、私も、きちんと理解したいと思っています。
だから、この一番ぼやけている軸の部分をもっとはっきりと具体的に表現しませんか?
そうすると、社長の言い方も変わるかも知れませんよ」
彼「え?でも、良い話だってあなたも言ってたじゃあないですか?」
私「良い話ですよ。あなたの志や使命感はね。
でも、ビジネスとしてみると『もやもや』しているところが結構あります。
そこを気持ちだけで説明されても、投資の決断は出来ませんよね」
私「う~ん、そうか・・・わかりにくいですか・・・確かになあ。
私は、協力者を得ようと色々奔走していますが、
皆さん、私の目指す所や使命感には共感してくれますが、
はっきりとは参加意志を表明してくれないんです」
私「一番のポイントは、このプロジェクトのサービスを受けるお客様や、
提供する側の企業の役割がそれぞれに明確ではない、と言う点です。
図で書くとこうなります。」
私は、プロジェクトに関わるお客様や協力企業などの関係図をマトリックスにして見せました。
私「ここと、ここ。この2箇所について、あなたは明確な説明をしていません」
彼「あ、やっぱり・・・ここは私も気になっていた所です。
でも、説明の良いアイデアが浮かんでいなかったので、
まあ、イイか、何とかなると思って突っ走ったんです。」
私「参加メンバーの役割がそれぞれに明確だと、どう協力して良いかが分かるはずです。
もう一度、ここに戻って、これを明確にしませんか?」
彼「そうですね、そうしましょう」
ビジネスでも何でも、自分一人で出来る物ではありません。
協力者が必要です。
しかし、その協力者に何を担って欲しいのか?どういう見返りがあるのか?
が不明確だと、そこから前には進みません。
協力者から信頼を得るには、「期待している立場」を明確に示すことが必要です。
こう言う交渉には、「相手軸に立った交渉」が必要になります。
「相手軸に立つ交渉」とは、自分が期待している相手の立場について、
相手が納得出来る立場として説明出来る!と言うことです。
今現在の相手の立場から、期待している立場に動いて頂かないと、交渉は成立しません。
相手の立場、相手の軸を動かすとは、相当な説明力が必要です。
交渉事は、自分は伝えているつもりでも、相手には伝わっていないことがほとんどです。
それでイライラしても話は進みません。
もう一度、相手軸に立って考え、相手が自分の軸を動かしても良いな、と思えるキーポイントに
説明力を集中しましょう。
そうすれば、きっと伝わります。
だって、あなたの使命感、志には、共感してくれているんですからね。
あと一歩ですよ。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年12月22日
- 07:46
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