「店長キラキラ化大作戦」⑪想いを込めたフィードバック
「あの時は、かなりショックでした。でも、私のことを真剣に想ってくれている。それがわかったので、辛くは無かったです。嬉しかったんです。・・・・・でも怖かった(笑)」
こんな表情をして接客されたら、お客様に失礼だ!周りにも悪い影響を与えてしまう!伝えなきゃあ!
店長は、そう思って、新人のBさんに改善するべきポイントを伝えました。その時の店長の表情は、真剣+愛情+心配+応援・・・・色々な気持ちが複雑に重なっていました。
Bさんは、まだこの店で働き始めて3日目の新人。この春に大学に入学したばかりの18歳の女性。元来は元気で明るい人だけど、さすがに仕事を始めると覚えることがいっぱいで、まったく余裕が無く、接客時にも笑顔が出ず、引きつった表情で声のトーンも暗い・・・店長には、彼女の焦る気持ちが良くわかっていました。しかし、今の彼女の表情・態度で仕事をしていてはいけない。辛くてもここを乗り切ってもらわなければ、事情がわからないお客様に嫌な気分を与えてしまう。
店長は意を決して、バックヤードにBさんを呼び、話をしました。
「どう、3日目を迎えた今日の気分は?」
「はい、まあ、なんとか・・・でも、ちょっときついです・・・」
「そうだね。表情が固いモノね。でも、固いだけなら未だ良いんだけれど・・・私には、あなたがなんだかけだるそうに見えるの。そうじゃないとは思いたいけれど、そういう風に見えちゃうのよ。そこらへんはどうなのかな?」
「いえ、だるいわけでも、嫌なわけでもありません。でも、そう見えちゃうんですね・・・高校の時、クラブ活動でもよく言われたんです。お前はやる気が感じられない、って。」
「では、やる気が無いわけじゃあないのね。」
「はい、やる気はあるんです。頑張りたいんです。でも、いっぱい、いっぱいで・・・」
「わかった。ありがとう。いいのよ、やる気があるんだったら大丈夫。チャレンジしましょ!」
「はい!」
「じゃあ、そのけだるそうに見える『いっぱいいっぱい状態』を脱出するには、何があれば良いと思う?」
「メニューを完璧に覚えることです。そこに自信が無いんです・・・」
「了解。それは、私たちがカバーして上げるわよ。みんなにも伝えておくわね。あなたひとりで仕事をしてるんじゃあ無いのよ。周りを頼りなさい!」
「はい、ありがとうございます。」
今朝のBさんの表情は、いっぱいいっぱいであったとは言えお客様には見せてはいけない表情をしていました。
しかし、店長は、怒りも叱りもしていませんでした。
ただし、彼女に対する気づかいしっかりと持ちながら、改善すべきポイントは明確に伝えました。ここに遠慮があってはいけません。気を遣いながらもズバッというのです。
その言い方の基本が、『アイメッセージ』です。
本ブログには本当に良く出てくる言葉ですが、フィードバックをするときに最も重要なアプローチ方法です。これは、本当に大事なアプローチですので、何度も繰り返しますね。
「相手がどう言う気持ちでいるのかと、それが周りにどういう影響を与えているのか」は、まったく別問題なのです。
なので、相手の気持ちは尊重しながらも、それが与える影響、まずは「自分はどう感じるか」を伝えるのです。多くの上司は、ここで『ユー(you)メッセージ』を使ってしまいます。
「あなたは、やる気が無い」「あなたの態度は良くないと思う」
また、こういう言い方をする人もいます。
「みんなおかしいと思っているよ」「みんなはどう思うんだろうね」
こちらは、一見アイメッセージに見せかけた責任転嫁アプローチです。
上司たるもの、自分の責任で伝えなくてはなりません。
店長は、Bさんに『アイメッセージ』で『信頼を込めて』『はっきりと』改善ポイントを伝えました。
店長の気づかい・心づかいを感じたBさんは、それを真剣に受け止めました。
2人によると、この時以来お互いの距離感がぐっと縮まったと言います。
相手に対する気づかい・心づかいを言葉に込めてはっきり伝えると、信頼関係も深まるということですね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年05月01日
- 09:48
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