「店長キラキラ化大作戦」⑫五感を働かせて隅々まで把握する
「ほんとうに冷たいコーヒーで良いの?温かいのもすぐに作れるよ。大丈夫だよ。」
先日NHKの番組で見たシーンです。このとき紹介されていた、スターバックスコーヒーの店長が、お客様からご注文を頂いているときのお連れのお子様の言葉に敏感に反応し、そのお客様のお子様にこのように声を掛けたのでした。この時店長は、客席に背を向けてドリンクを作る作業をしていました。けれども、背後で交わされた言葉にしっかりと反応したのでした。
私も同じような経験、と言うかトレーニングをマクドナルドのアルバイト時代に店長から受けたことがあります。その店長は、「松下くん。客席の方を見ないで、音だけで客席の様子を把握してみなさい。いま、どこの辺りに何人のお子様がいるかわかるかな?」と言われました。私は、眼をつぶって真剣に客席の隅々まで意識を持っていきました。お子様がいるのは判りましたが、さすがに人数まではわかりませんでした。しかし、このトレーニングは、私に五感をフルに使って店舗の隅々まで把握することの大切さを学ばせてくれたのでした。
NHKの番組で紹介されていた店長は、凄いですねというインタビュアーの言葉に「客席全体を俯瞰しているような感覚です。眼で見えているだけでは無く、耳や鼻や肌で感じる感覚をフルに使うことで、スタッフが楽しく働き、お客様にくつろいで頂けるお店になっているかどうかをいつも把握していたいんです。」と答えていました。
キラキラ輝いている店長とはこういう店長のことを言います。忙しいときにピロピリしてカリカリしている店長は、実は全体の把握が出来ていないので、判断が後手後手に回るため、余計に忙しくなるのです。最も優れた店長は、問題が起きないように全体を把握して先に手を回します。
このブログの今回のシリーズの舞台になっているあるレストランの店長Aさんは、スタッフから「忙しくなると眼が怖い」とフィードバックを受けました。つまり、ピリピリカリカリ来ていたのです。担当マネジャーは、まずは、このA店長をさらにキラキラ輝かせるために、『俯瞰力+察知力+予測力+先手必勝力』を付けさせることにしたのでした。
お店がスムーズに廻り、トラブルが起きなくなると、仕事に余裕が出てきます。その余裕は次に準備に向けることが出来、ますます余裕が出来てきます。しかし、頻繁にトラブルが起きる店は、いかにトラブル対応が優れている店長であっても、その為に時間は取られます。その為自然と余裕が無くなり、次の準備をする時間も少なくなるのです。
『俯瞰力+察知力+予測力+先手必勝力』とは、危機管理で言うところの「リスクマネージメント」いわゆる、トラブルが起きないようにする部分です。部下の能力をトラブル対応力だけで判断する上司、経営者が良くいます。もちろん、トラブル対応力も重要な能力ですが、本当に優れた店長・スタッフは、トラブルを発生させないように努力をしています。このリスクマネージメント力を見逃さないようにしておくことが大切ですね。
例えば、お店で発生するクレーム。ちょっとした発注ミス。スタッフの遅刻・・・・全て未然に防ぐことが出来るはずなのです。そこにどれだけ事前に対応しているか?そこをよく見てみましょう。悠然と、のんびりと余裕を持って仕事をしている店長の本当のすごい実力が見えてきますよ。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年05月02日
- 07:31
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