マネをさせるだけでは「やる気」って出ないのです
「わざわざ自分のやり方でやるんだったら、成功事例をそのままコピーした方が成功確率が高いよ。」
ある上司は、部下にこのようにアドバイスをしました。
以前、大手スーパーでも成功事例を素直に展開した人を表彰するという仕組みを作ったことがあります。マクドナルドでも、さぼてんでも成功事例の紹介は積極的に行われ、成功事例の取り入れを推奨しています。
仲間や先輩が実現してきた成功事例を取り入れ、自身の成果の向上に役立てることは非常に効率が良く、私も積極的に成功事例の情報収集を行い、それを取り入れてきました。それは今でも同じで、日々仲間やライバルのみならず、多業態の事例をも自分に応用出来ないかと考えています。
ところが、そんな私でさえ、成功事例を「マネ」することに消去的になるときがあります。いや、むしろ「マネ」をするのがとても嫌で嫌でたまらなくなるときがあるのです。それは、上司から成功事例の採用を薦められたときです。へそ曲がりと言われるかも知れませんが、自分で探し、見つけて、共感を持った「スキル」「コンテンツ」「技」は、「こ、これはいいぞ!」と心躍らされるのですが、「ほれ、こんな良い物があるぞ!これをマネしろ!」と言われると、急に意欲が無くなります。あろうことか、そのコンテンツだけは絶対にマネしたくない!と言う気持ちになるのです。
なんだか、上司が自分に勧めてくれているという親切心よりも、そのコンテンツをほめているのを自分にも聴かされているような、なんだか「悔しい」気分、極端に言えば、なんだか自分が馬鹿にされたような気分になるのです。(あああ、なんだか小せえなあ~(笑))
でも、実はこの感覚は多くの人の中にもあるようなのです。昔々、私がマクドナルドで統括スーパーバイザーをしていたときのことでした。私の部下に非常に行動的で仕事の意欲も高く、能力も高い店長がいました。あるとき彼は、ディズニーランドに遊びに行ったときに目の当たりにした「行列をコントロールして接客のスピードアップをする方法」のマクドナルド対応版を思いつき、自店舗で実験を繰り返していました。
しかし、意欲いっぱいで進めていた彼は、東京の別の店舗で「成功事例」としてよく似たコンセプトのアイデアが紹介され、それを全国で導入しようという流れになったとき・・・急速にマインドとモチベーションが低下してしまいました。
彼の上司であった私は、彼の主体性よりも営業部の方針に従ったのです・・・今でも悔やんでいます。
成功体験をして、それを事例として公開することは、その本人にとってはとても誇らしいことで有り、素晴らしい体験です。それが、全店導入されるようなシステムとして評価されると、天にも登るような気持ちでしょう。しかし、同じ目的を持って、別の仕組みに取り組んでいた人達にとって、これは「敗北」そのものなのです。
※明日に続く
※ちなみに「マネする」とか「盗む」とか人聞きの悪い表現を使っていますが、これはあくまで会社内の目標達成に向けた仕事の仕方についての他者事例を参考にしようという意味ですからね。決して「知的財産権」を侵そうなんて言っているのではありませんよ!あしからず!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年07月06日
- 16:16
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