「お客様満足」って何の為?
「なぜ、お客様に満足して頂くことが大切なのかわかる?」
ある美容室チェーンのスーパーバイザーは店長にこう聴きました。店長は即座に答えました。
「ご満足して頂けたら、また来ていただけるからです。すると店の売上げも上がります。」
「そうだよね。だから、あなたもスタッフも一生懸命にお客様に満足して頂こうと、接客しているんだよね。」
「はい。」
「だったら何で満足度の評価が上がらないの?」
「それは、まだ、満足していただけるところまで出来ていないから・・・」
「じゃあ、何をすれば満足していただけるの?」
「もっと気持ちを込めるとか・・・笑顔とか?お客様の要望をもっと聴くとか・・・」
店長は、言葉に詰まってしまいました。
この店は、お客様に満足して頂こうと、接客技術を磨く研修をやり、お客様の要望を丁寧にうかがい、無理なおすすめなどはせず、気持ちよく過ごして頂こうと、店内のインテリアや音楽も工夫を凝らしています。しかし、お客様の満足度調査をしてみると、思ったように評価ポイントは増えていないのです。やれることは全部やっているつもりなのに・・・店長は悩んでいました。
「店長がお客様に満足して頂くために色々と工夫しているのはよくわかるわ。ガンバっているよね。でも、足りないものがあるから、お客様の評価があるところから上がっていかないのよ。現状は、普通に満足して頂いているだけ。このレベルでは、『また来て頂く』には、パワーが弱いの。もし、ライバルが価格競争を仕掛けて来たら、あっという間に負けてしまうわ。もし、この店よりも便利な場所に、もっと綺麗で新しい店が出来ても同じね。お客様はそちらに行ってしまうわ。」
「ところで、あなたたちにお給料を下さっているのは誰?」
「社長です・・・よね」
「ふう~、社長なのね・・・じゃあ、その社長に給料を下さっているのは誰?」
「お客様・・・ですか?」
「その通り。結局は、お客様が来て下さるから、会社の売上げが上がり、社長もあなたもお給料がもらえるのよ。でも、あなたたちは、売上げや満足度評価ばかり気にして、社長の顔色ばかり見ながら『お客様満足』を語っているのよね・・・見る方向が違うんじゃないの?」
このチェーン店では、定期的にお客様の満足度調査を行い、その評価を元に店長の給与査定を行っています。だから自然と、自分の給料を上げるために、お客様では無く社長の方ばかり見るようになって行ったのです。もちろん店長は、社長を見ていてもお客様の満足度評価が上がるなんて思ってはいません。しかし、お客様への集中力は低下してしまうのです。
「あなたたちには、お客様に対するあるものが足りないわね!」
スーパーバイザーは、こう言って、ノートに何か書き始めました。
明日に続く。
※アメブロで、ブログバックナンバーの改定新版を毎日更新しています。
読み逃した方は、こちらもどうぞ<(_ _)>
http://ameblo.jp/aitejiku/
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年08月10日
- 12:12
- コメント(0)
この記事へコメントする