不満バイトを生んでいるのは自分自身であることを気づかせよう
「なぜ、不満ばかり言って協力的では無いバイトには辞めてもらってはいけないんですか?邪魔をする人がいなくなったら、仕事がしやすくなると思うんですけど・・・」
ある店長からこのように言われた私は、次のようにお話ししました。
「もちろん、あなたの言うことを聴いてくれる協力的なメンバーばかりになったら、一時的には楽でしょう。しかし、よく考えて下さい。なぜ、非協力的なバイトが出てきてしまったのでしょうか?」
一般的に、新しい店長は、自分の存在感を示すために新しいことをしたがります。また、店長の上司であるスーパーバイザーやその上司やそのまた上司も、部下に対しては新しいことをさせたがります。もちろん、多くの経験から実証されてきた戦術でしょうから、それを取り入れた方がより効果が高いのでしょう。しかし、新しい仕組みを取り入れる時に、上司は部下に指示命令すれば良いのでしょうけれど、末端にいるパート・アルバイトは、お客様に対してその新しい仕組みを使って対応することになるのです。この変化はとてもストレスのかかることです。むしろ拒絶反応や抵抗感を表す方が、素直と言えるのです。
彼らが抵抗する理由は、新しいことをするのが面倒くさいと言う理由もあるかも知れませんが、それがお客様に対して良いことなのか?と未だ信じ切れていないという理由もあるのです。店長や会社が考えている「利点」や「目的」が腑に落ちていないのです。にもかかわらず、店長は、「こうした方が良いからこうやって下さい」とか「会社で決まったことだから今度からこうして下さい」とただ指示命令をしてしまいます。もしかしたら、抵抗感を表明しているパート・アルバイトの方が、「はいわかりました!」と「素直」に従っているパート・アルバイトよりも、お客様のことを考えているかも知れないのです。
新しい戦術について、その目的を十分に説明しないままにただパート・アルバイトにさせたがる店長は多いものです。しかし、十分な説明が無いまま、単純にその作業だけを受け入れて実行するパート・アルバイトもまた多いのです。こんなことで本来の目的は果たせるのでしょうか?
例えば、新しいキャンペーンが始まったのでお客様には必ずこの商品をお薦めしましょう、と言うことを指示したとします。素直なパート・アルバイトは、そのまま全てのお客様にその商品をお薦めすることでしょう。しかし、本当はその商品では無く別の商品をお薦めした方が良い場合もあるのです。ご年配のお客様の場合、キャンペーン商品が、少し油が多そうな商品だったら、それはお薦めせずに、他のあっさりとした商品をお薦めしたいのです。
相手軸に立った出来る店長は、パート・アルバイトに目的を伝えながら説明をします。その上で、色々なケースを想定して最適な対応をパート・アルバイトと一緒に考えるようにします。そういう風にすることで、抵抗感や不満などは全く出なくなります。
さて、冒頭の質問をされた店長には、
「不満を言うバイトを首にしちゃいけない!と言われたら、あなたはそれに対して不満は持ちませんか?」と聴きました。「う~ん、不満を感じますね~」・・・「なるほど、では、不満を言うあなたはクビにした方が良いんですかね?」
絶句した彼女が、本当の原因がどこにあるのかに気づいてくれると良いんですけどね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年10月20日
- 15:01