新人店長は「個人イベント」を忘れてはならない
「Aさん、誕生日おめでとう!いつも、一生懸命がんばってくれてありがとう!これは、お店からのプレゼントよ!」
この日、誕生日を迎えたバイトスタッフのAさん。そのAさんが、この日の朝礼で突然、店長からお祝いの言葉とプレゼントをもらったので、もう目を丸くしてビックリ。そして満面に笑みを浮かべて、「うわああ~ありがとうございます。まさか、バイト先で誕生を祝ってもらえるなんて思っても見なかったのでビックリしました。」と喜び。そして、「嬉しいです。本当に、ありがとうございます。うえええええん・・」と、今度は泣き出してしまいました。
Aさんは、入社してまだ1週間。この店で誕生日を迎えるのはもちろん初めてですし、バイト期間が短いので、他のスタッフが誕生日をお祝いしてもらっているシーンも見たことは無かったのです。その初めての誕生日サプライズが自分だったので、思わず感動して泣いてしまったのでした。
しかし、彼女が泣いてしまったのにはもうひとつ訳がありました。実は、彼女は今日でバイトを辞めようと思っていたのです。彼女は、この店で仕事を始めて未だ1週間だったのですが、仕事がうまく覚えられずミスばかりしていました。その為自分にはこの仕事は向いていないな、と思い、今日の仕事が終わったら店長に退職する旨を伝えようと思っていたのです。
そんな日に突然のお誕生日プレゼント!彼女が泣いてしまうのも無理はありませんでした。
「みなさん、ありがとうございます。私、実は今日でこの仕事を辞めようと思っていたんです。なかなか仕事を覚えられないし、ミスばっかりするし、皆さんに迷惑ばかり掛けて・・・・でも、皆さんがいつも励ましてくれるし、やさしく教えてくれるし、本当は辞めたくなかったんです。けど、私には向いていないなと思っていたんです。そんな私に、こんなプレゼントをくれるなんて・・・うわああああん・・・」
誕生日などの個人イベントをスタッフ全員でお祝いする目的は、彼女のように自分勝手に孤独になっているスタッフに、「みんながついているよ。みんな一緒だよ。」と、自分もチームの一員なんだ、仲間がいるんだ、と言うことを思い出させるためです。しょっちゅう個人面談をしていても、きめ細かく観察して承認のサインを送り続けていても、本音を上手く表現出来ずに自分の中でどんどん落ち込んでいくスタッフはいます。店長もスタッフ仲間もプロのコーチやカウンセラーではありませんから、そうそういつも本音を引き出すことは難しいでしょう。そう言うときは、自分達の気持ちをドンとぶつける方が効果的なのです。このイベントは、お祝いされる本人だけでなく、お祝いをする方にも効果があります。だって、お祝いをするって、そのひとに対する想いがもの凄く盛り上がりますからね。
ただし、このイベントを行うにはひとつだけ注意点があります。それは、「会社の仕組み」に感じないようにすることが大切なのです。もちろん、会社の仕組みとして自動的にお祝いされても嬉しいのですが、せっかくのお祝いです。もっと社長や店長の熱い想いも一緒に届けた方が嬉しいではありませんか。
この店の店長は、そんな気持ちも解っているので、店長自身の手書きのメッセージを必ず添えています。さらに、スタッフリーダーからも手書きのメッセージも一緒に添えて渡しています。イベントによっては、全員がお祝いする側として色々と工夫をする時もあります。そんな時は、もう店中大騒ぎになります。これがチーム作りの土台になるのです。
後に、この新人スタッフは語っています。
「あの誕生日プレゼントがなかったら、私はあの日で辞めていたかも知れません。でも、続けて良かった。本当に嬉しかったんです。だから、私も、仕事が上手く覚えられずに、私と同じ想いをしているかも知れない後輩の面倒をしっかり見ていきたいと思っています。」
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年01月08日
- 09:27
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