新人店長は「自分の状態」を認識できるようになろう
「私は、嫌な事があってイライラし始めると、頭の中で赤い風船が大きく膨らんでいく様子が思い浮かぶんです。それを感じたときは、『あ、風船を破裂させてはいけない』と思って、空気を抜いてしぼんでいくイメージを想像するようにしているんです。」
彼女は、ある物販チェーン店の店長。面倒見の良さを買われて、店長の仕事と同時に5店舗のマネジャーを兼任しています。その為、彼女の携帯電話は部下からの相談事で一日中鳴りっぱなし。
「以前は、私が忙しいときに電話が掛かってきて、『どうしましょう』『大変です』なんてことを言われると、その度にイライラが爆発して、電話口で怒っていました。でも、それでは何も解決しないし、かえって電話の量も増える一方でした。」
あるとき、そんな状態の彼女に、友人が笑いながら言いました。
「あなたって見ていると、いつ爆発するか良くわかるよね。だんだん顔が赤くなって、目がつり上がって、歯をむき出しにして・・・あああ~あと何秒で爆発する!・・・どかああああ~ん!・・・まるで、風船がどんどん大きくなっていく様子そのものだわ(笑)」
イライラが高じて爆発するのは決して彼女の本意ではありません。何とかそれを押さえて、冷静に指示を出したいのです。だから、そうなる前にその状態に気がつくようにしたいと前々から思ってはいたのです。しかし、興奮してしまうとなかなかそう言う気持ちにはなれなかったのです。みんなそうですけどね。
でも、その友人の言葉に彼女は、「そうか・・・自分が風船であることを思い出せば良いんだ・・・」と、なんと、携帯電話の待ち受け画面を、赤い風船の写真にし、さらに、携帯電話の電話帳に入れてある部下の写真も色とりどりの風船の写真にしたのです。そして、電話が掛かると「あ、青い風船からの電話だ。」「黄色の風船ね。何かトラブルかな?」と、風船を意識しながら電話を取るようにしたのです。
彼女の採った方法は、自分の状態を自分で冷静に認識する「メタ認知能力」を高める為の行動です。この「メタ認知」をしっかりとすることが出来る様になると、「自分は今イライラしている ==> だから冷静になろう」と、自分で自分をコントロールするようになります。
よく、イライラしたり怒りがこみ上がったりしたら、一度落ち着いて深呼吸をしましょうと言われますが、そもそも、自分のイライラやこみ上げた怒りの状態を冷静に認識していないと、深呼吸なんて出来ません。彼女のように、イライラする可能性の前に、「一度、冷静になっておく」そして、「頭に風船を描いて、話を聴きながらその風船の大きさを意識するようにする」そういう風にするだけで、100%とまではなかなか行きませんが、それでも結構高い確率で、自分の状態を認識できるようになるのです。
「メタ認知能力を高める」・・・リーダーとして非常に重要な能力です。あなたも、自分の状態を認識するための仕掛けを工夫してみては如何でしょうか?
ちなみに私は、すぐにイライラしちゃうので、デスクの前に鏡を置いて自分の表情を確かめています。まあ、鏡のないところでは気がつかないのが欠点なんですけどね・・・
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年01月11日
- 09:31
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