新人店長は「ライバルを批判」をしてはいけない
「店長、新しくオープンしたあのお店に行ったんですけど、全然美味しくないんですよ。出てくるのが遅いから冷めちゃってるし、サービスもなんか無愛想でツンとした感じだし、ダメですね。あれはすぐにお客様来なくなっちゃいますね。」
先日、ショッピングセンターのレストランフロアに新しくオープンした店でランチを食べてきたアルバイトスタッフは、出勤するなり店長にこう話しました。
この新しいライバル店がオープンしたのは1週間前。最近店舗数を増やしてきている有名店です。ただでさえ売上が厳しくなってきている自店舗に与える影響は必至と、店長もスタッフも戦々恐々でした。そんなある日、アルバイトスタッフの一人が、偵察気分でそのライバル店で食事をし、その印象を店長に報告したのでした。
「Aさん、ありがとう。見に行ってきてくれたんだね。私も行きたいけれど、まだ忙しそうだから外からしかのぞけてないのよ。そう、美味しくなかったのね。残念ね。サービスも、まだ慣れていないからなのかな。がんばって欲しいわね。」
店長は、スタッフの口調とは逆に、まるで自分達の仲間のような口ぶりでスタッフの話に答えました。
「えええ~、がんばってもらったらダメじゃあないですか。まあ、でも、高くてまずいんだからいくら頑張っても無理ですよね。あんな店はさっさと閉店すれば良いんだわ。」とスタッフのAさん。
「Aさん、違うのよ。私たちがここであの店を批判しても何も始まらないわ。ただ私たちに油断が生じるだけ。あの店にはがんばってもらって、このショッピングセンターのお客様をたくさん呼んでもらわないとね。すると、入れなくてあきらめたお客様がうちの店に来てくれるじゃあない。」
「店長、そんなのおこぼれ頂戴じゃあないですか。悔しいですよ。」
「ううん、その仕方なく私たちの店を選んでくれたお客様に、『この店いいね。この店を選んで良かったね。』と思ってもらえるようにするのよ。いま、このショッピングセンター自体が苦戦しているわ。そこへ、話題のレストランがオープン。批判的に見るよりも、チャンスだと考えようよ。仕方なく入ってきたお客様をさらに失望させたら、私たちもダメになっちゃうわ。これは、チャンスなのよ!」
競合店調査をしたり、自分達の店への厳しいお客様のご意見を頂いたりすると、私たちは自己防衛反応を発揮して、競合店の活動やお客様のご意見を批判的に受け取ったりします。「あの店はダメだ」とか「お客様はわかっていない」とか、つい批判をしてしまうのです。しかし、それは自分が傷つくのが嫌なだけ。そんな気持ちで受け取っていても自分達の成長には全く繋がりません。むしろ、退化してしまいかねないのです。
この店長は、それを批判的に捉えずに「チャンス」と捉えようとしています。それにより、自分で自分にプレッシャーをかけ、自分達の成長のキッカケにしようとしているのです。
「だって、私たちがどう批判しても、あのお店は流行っていますからね。確かに、まだまだレベルは低いのかも知れません。でも、お客様はあのお店に何かを期待して訪れているんです。批判するって、なんだかそれを妬んでいるような感じじゃあないですか。正直、私もくやしいですよ。でも、妬んでいたって、私たちのお店が選ばれる要因にはなりませんからね。それに、妬みが高じるとダークサイドに落ちちゃう気がするんです。ヤバイです(笑)」
後日、この話を聴かせてくれた店長は、最後にこのように締めくくってくれました。
ライバルの活躍は、羨ましくも悔しくもあると思います。私もです(笑)
でも、それを批判したり妬んだりしても自分の成長には役に立ちません。むしろエネルギーが低下します。
ライバルの活躍は、自分の成長のチャンス!さらにボリュームを上げるキッカケに致しましょう!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年01月13日
- 09:01
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