新人店長は「縁の下の力持ち」の存在に気づこう
「まったく・・・おまえには『やる気』というものが見えないな。やる気を出せやる気を!」
最近この店に異動してきたある店長が、スタッフにこう叱っていました。叱られていたスタッフは大学生。日頃からおとなしく、ミーティングでも特に発言することはなく、仕事も淡々とこなすタイプです。
ところが、この新任店長からすると、それがどうも気にくわない。もっと自己主張をして、声を出して元気にしろというのです。もちろん、この大学生は、仕事をさぼっているわけではありません。きっと内に秘めた意欲は燃えるようにあるのでしょう。しかし、それは外には出ない。いや、出さないのかも知れません。いや、むしろ、出し方が違うと言った方が良いのかも知れません。
この店長は、自分の経験から、「意欲ややる気は、外にはき出してこそ大きなエネルギーになりパワーアップする」と信じています。彼は、学生時代はラグビー部の主将。そう考えると、店長のこだわりも理解出来る様な気もしますね。
一方で、この大学生は子供の頃から典型的な文化系。美術や文学に興味を持って過ごしてきたのです。なので、大きな声や気合を外に出すシーンそのものを経験していません。でも、この大学生には、ちゃんと内に秘めた情熱はあるのです。だから、彼はアルバイトでも自分の役割についてはキチンと責任を持ってこなします。仲間の足を引っ張るどころか、困っていたり遅れているスタッフに手をさしのべて手伝います。
着任したばかりの新任店長は、こうした彼のサポート気質にまったく気がついていないのでした。大勢のアルバイトの中には、典型的なリーダータイプもいれば、サポ-トに徹するサポータータイプもいます。概してサポートタイプはおとなしくて言葉少なめの人が多いのです。しかし、その表面的な態度、つまり、会議での発言や仕事での元気の出し方でそのひとの能力や姿勢を判断してはいけないのです。
「店長、彼は僕らが困っているときいつも助けてくれるんです。確かに、おとなしくて、もの凄く元気というタイプではないんですけど、彼が、この店を底から支えているんです。」と、アルバイトリーダーは店長に進言しました。それ以降、店長はこの大学生に「やる気を出せ」とは言わなくはなったのですが、彼の内に秘めた意欲はまだ理解出来ていないようです。
新任店長、新人店長は、短い期間でスタッフひとりひとりの特徴をつかみ、任された店舗をスムーズに運営するために新しいチームを作っていきます。チーム構成には店長のよって好みはあると思いますが、少なくとも、リーダータイプばかり集めてはいけないと言うことは言えると思います。チームには目立たないけれど、「縁の下の力持ち」が絶対に必要なのです。ところが、この「縁の下の力持ち」は、目立たないので、なかなか新しい店長のお目に適わないのです。だからこそ、店長は、自分の見た目だけではなく、店全体をよく把握しているリーダーや古株スタッフから店の隅々、全スタッフの特徴を確認して欲しいのです。
あなたの店はあなたが全てを決めたいと思いますが、見えていないところもあるんだという謙虚な気持ちは忘れないで下さいね。
※アメブロで、ブログバックナンバーの改定新版を毎日更新しています。
読み逃した方は、こちらもどうぞ<(_ _)>
http://ameblo.jp/aitejiku/
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年02月19日
- 12:33
- コメント(0)
この記事へコメントする