新人店長は「寝た子」は起こそう!
「ねえ、B君。なにか不満があるのなら言って欲しいんだけどな。すぐに改善できることならすぐにするし、すぐに出来ないときは、みんなで出来る方法を考えようよ。」
1年前。あるガソリンスタンドのオーナー店長は、ミーティングで、何かふてくされたような表情をしていた大学生スタッフのB君を、ミーティング終了後に彼から不満を聴き出そうとして話しかけました。このオーナー店長は、いつも「寝た子は起こすな、は間違い。寝た子は起こして始めて店の真実が見えてくる。」と言ってはばかりません。これは私のポリシーだと言っているのです。
「だって、不平や不満、もしくは疑問を持ったまま仕事をされたらお互いに気持ちよく無いじゃないですか。最近の若い子は何を考えているかわからないって、よく他のオーナーさんは言うんだけど、それって、単にコミュニケーションをキチンと取っていないからじゃあないんですかね~。話もしないで気持ちなんてわかりませんよ!」
彼は続けてこう言いました。
「もちろん、よく話をしたり聴いたりしているからと言って、彼らの気持ちをちゃんと理解しているなんて事は言いませんよ。やっぱりよくわからん、と言うのが正直なところなんです。でも、たくさん会話をすることで、わからない時にも聴きやすくはなりましたね。滅多にちゃんと話さないのに、いきなり『おまえの言う事は良くわからん』なんて言われたら腹たつでしょ?我々の世代でも同じですよね~」
冒頭にも書きましたが、彼のスタッフに対する基本ポリシーは「寝た子は起こす」です。とにかくしっかり話を聴く、それが不満であっても文句であっても、キチンと聴く。その上で、伝えたいと思った自分の考えは、オブラートに包まずにストレートに伝える。彼は、いつもシンプルにこのポリシーを貫いています。その結果、スタッフ自身が、不満を感じているスタッフを先に見つけ、それについての解決策をオーナーに提案したりするようになったのです。
例えば、スタッフ数の少ない時間帯が週に何度か存在する問題に対して、スタッフ全員で話し合って、自分達で解決策としてシフト調整を行い、それをオーナーに提案したのです。ただ不満を隠さずに言うと言うことでは無く、不満を解決する方法を自分達で考えてしまうようになったのです。
「まあ、最初は、わがままばかり言う奴ばかりだなあ~と思っていましたが、今は、そんなわがままでさえも、自分達で解決しようとしてくれるんです。私は彼らの真剣に話を聴くことだけを心がけただけなんですけどね。むしろ、彼らの成長ぶりに私の方が助けられているんですよ。」
この店のスタッフは、使用者とか従業員とか労働者というような感覚では無く、自分達でこのガソリンスタンドを運営しているという意識を持っています。別にオーナーが彼らに「アルバイトも経営者意識を持て」なんて事は一切言っていないのです。オーナーのスタッフに対する真摯な態度に彼らが真剣に応えているだけなのです。
スタッフがこのような意識になるかどうかは、店長、経営者がどの様なポリシーを徹底するかによって決まります。この店の場合、オーナーの「寝た子は起こす」と言うポリシーが、スタッフ不満を明るみに出してそれを解決して行くと言うだけでは無く、スタッフの眠っていた「能力」や「やる気」さえも起こすことになったのです。
ぜひ、あなたも、あなたの店のスタッフの「本当の気持ち」を聴いて上げて下さい。わがままを言うかも知れませんが、それに対してもまじめに返答して上げて下さい。きっと、そこに信頼の為が芽生えるはずです。いえ、必ず芽生えます。だって、スタッフはそんなあなたともっと仕事をしたくなるでしょうからね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年02月27日
- 06:27
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