新人店長は「全部話すな」
「え、そこまでは・・・考えていませんでした・・・」
部長から鋭い質問を受けて、答えに詰まった店長は、下を向きながら答えました。
この日は、各店の年間活動プランの発表会。店長は、約1ヶ月をかけてプランをまとめてきました。しかし、部長から質問された具体的なポイントについて、明確な返答をすることが出来なかったのです。
この店長に限らず、ビジネスのシーンではこう言う撃沈はよくあります。例えば、部下の業績評価を検討するような会議でも起こります。せっかく部下のがんばりを評価してもらおうと良い話をたくさん発表しても、ちょっとした鋭い質問に答えることが出来ずにあえなく撃沈してしまうようなケース。お客様のところに新商品のカタログを抱えて売り込みに行き、さんざ時間をかけて語りまくった後、お客様のささやかな質問に答えることが出来ず、持ち帰りになってしまうケース。せっかく一生懸命に説明しているのにもかかわらず、相手の質問に答えられなかったが為に、その後の話がぐだぐだになってせっかくの説明が水の泡になってしまう。あなたにはこんな経験ありませんか?
さて、ではこういう事態は何故起こってしまうのでしょうか?一般的によく言われるのはこの5つです。
1)準備不足
2)相手のニーズを捉えていない
3)説明がわかりにくい
4)話が長い
5)一方的に話している
よく言われる原因にはこのようなものがあるのですが、実は、一番の原因は、この5つではありません。
一番の原因は、これです。
「全部話してしまう!」
相手の質問に行き詰まってしまうほとんどの原因は、これなのです。
たとえ、上記の「5つのよくある要因」について、全てクリアーしたとしても、用意しておいた資料を全て話してしまうと、必ずその後の質問をきっかけに話はぐだぐだになります。
それはなぜか?
「全部話してしまって、もう何も残っていないから」
なのです。
相手が関心を持って聴いて下さっていると、ほぼ100%こういう事態に陥ります。関心があると言うことは「質問」があるのです。ところが、そう言う質問を含めて何もかも話してしまうと、相手は、想定外の質問をして来ます。と言うか、すでにたくさん説明してくれているので、それ以外の質問をするしかないのです。
その為、この質問は、あなたが想定していない「難しい質問」となる事が多いのです。
で、あなたは、ぐだぐだになる・・・・
こういうプレゼンや営業が上手いひとは、「用意して置いた資料の『半分』くらい」しか話しません。わざと脇を甘くするのです。すると、そこに質問が来ます。質問が来ないような完璧なプレゼンではなく、質問が来るような隙を与えるプレゼンをするのです。
「いい質問ですね。」
池上彰さんのこのセリフ、よく聞きますよね。これと同じです。相手に質問をさせて行きながらプレゼンを完成させていくのです。すると、相手はこのプレゼンの構成者の一人となります。もう「仲間」なのです。あなたとの距離感がぐっと近くなります。そうすれば、その後の「判断」「決断」は、あなたにとって嬉しいものになる可能性が数倍高くなるのです。
あなたはこれからたくさんの「プレゼン」「説明」「報告」「営業」をする機会があるでしょう。その時は、「用意しておいたものを全て話さず」、「ちょっとだけ隙を作って相手にそれを質問させる」ようにシナリオを構成しましょう。
もちろん、最初の説明から準備不足でぐだぐだになったら・・・それは問題外ですけどね!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年03月05日
- 04:53
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