顔晴れ店長!ブログ

新人店長は「うちの店」というスタッフを「うちのブランド」と言えるようにしよう

新人店長は「うちの店」というスタッフを「うちのブランド」と言えるようにしよう


「うちのブランドはね。こんな小さなことまでにこだわっていることで、それが素晴らしい商品となって、それが自分達の誇りとなっているのよ。だから、絶対に、ほんのささいなことでも手を抜いちゃあダメなのよ。」

と言っているのは、あるデパ地下に出店している総菜店の店長です。彼女は、商品だけでなく、お客様の眼で見た自分達の店について、とても細かいところまでこだわりを持っています。ショーケースにくもりや汚れが無いように磨き上げるのはもちろんのこと、商品については、どの角度から見てもきれいに見えるように、気を遣っています。スタッフの身だしなみ、表情、元気の良さ、そして何よりもお客様を心から歓迎する笑顔についても、少しでも「ブランドイメージと違う」と思ったらすぐに指導します。

彼女は、元々この店がオープンしたときに採用されたパート・アルバイトでした。その後、社員として入社し、今では店長として活躍しています。そんな彼女ですが、最初の頃は、「うちのブランド」とは言っていませんでした。彼女は、他のスタッフ同様に「うちの店」という風に、「自分達」のことを自分のいる店だけに焦点を当てて表現していました。

もちろん、これはごく普通のことです。誰でも、自分の働いている店のことを指す時は「うちの店」と言います。店が基点になるのです。例えば、自分の家を指すときは「うちの家」と言いますよね。私も、「我が松下家は・・・」とは言いません。自分達の家系や一族のことを代表して言うようになるのは、一族のボス、つまり本家の最長老もしくは、最長老なみに一族の「家」「家柄」にプライドを持つ人達だけなのです。ところが、この店の店長は、数百店舗もあるチェーン店にもかかわらず、社長や幹部並みに「うちのブランド」と言っているのです。しかも、「我が社は」とか「うちの会社は」ではなく、「うちのブランド」と言うのです。

なぜ、そのような意識を持てるんだろうと思った私は彼女にその気持ちを尋ねてみました。すると彼女は、
「実は、あるお客様が、私たちのブランドにどんなイメージを持っているのか、についてお話し下さったことがあったんです。そのお客様は、『○○さん(ブランド名)は、他のお店とは、なんかこうビシッとした感じが違うのよ。一本筋が通っているというか、こだわりが凄いというか、私たちはこうなんです!とプライドを持っているというか、何かそんな雰囲気を感じるのよ。だから、いつもこのデパートに来たときは、安心して○○さんで買うことにしているの。』と言われたんです。そこまで言われるなんて、そんな期待をしてくれているなんて思っても見なかったから、正直そこまでプライドを持っていなかった私は恥ずかしくなったんです。だからその日から私は、絶対にその期待を裏切らないぞ!と決めたんです。」と言ってくれたのです。

お客様は、「会社」や「企業」という意識よりも「ブランド」に対する信頼やイメージを強く持ちます。もちろん、会社に対する信頼感もあるでしょうけれど、「商品」やそこで働く「スタッフ」そして「看板名」の方が、強くイメージされるのです。特に商品の出来上がりとスタッフの態度、店の清潔さは、ブランドイメージを決定づける大きな要素なのです。

お客様は常に、あなたの店を見て、あなたの店の商品とあなたの店のスタッフ、そして清潔さであなたの店のイメージを固めます。それが、お客様の期待するブランドイメージになるのです。「商品の品質」「スタッフの笑顔やサービス」「店の清潔さ」は、単にQSCという店舗運営基準の話ではありません。それが、あなたの店の価値と期待そのものなのです。

あなたの店には、今日もお客様がいらっしゃいます。
お客様は、ただ単にご来店されるわけではありません。
あなたの店に大きな期待を持って来店されるのです。
その期待は「ブランドへの信頼と期待」です。
その期待に応え、さらに期待を越えるからこそ、あなたの店は「また来たいお店」になって行くのです。

「ブランド」・・・・もう一度「お客様の視点」で、この言葉の意味を考えてみませんか。


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