新人店長は「自分の二面性」に注意しよう
「店長は、マネジャーの前で言っていることと、私たちの前で言っていることが全然違うんです。もう信じられません!」
あるスタッフが、マネジャーに直訴しました!
このスタッフが言うには、自分達の店長は、エリアマネジャーが来店したときには、マネジャーに「大丈夫ですよ。まだドタバタはしていますが、私に任せて頂ければ、じきに落ち着きます。」と笑顔で言うのですが、マネジャーが帰ると「お前らが、俺の言った通りにやらないから店がドタバタするんだよ。今度俺の言った通りに出来ない時は、出来ない奴は首にするからな!わかってんのか!」と、鬼の形相で全部私たちのせいにして責任を押しつけていると言うのです。もう、信じられないくらいの二面性があるらしいのです。
この店長に限らず、本社の上司と店のスタッフの前で態度が違う店長って少なくありませんよね。ちょっと考えれば、態度に二面性があることについては、自分でもわかっていそうな気がするのですが、実は案外そうではないのです。多くのひとは、自分が、上司の前で行っている態度と、スタッフの前で行っている態度については、それぞれ目的があって意味があるので、そんなに違ったものでは無く、それは二面性では無いと考えているのです。なので、周りがそれを「おかしい」と感じていることなどあまり気にならないのです。(自分が他の人のそう言う態度を見ると疑問に感じるんですけどね(笑))
多くの人は、「リーダーは誰に対してもオープンで、二面性などなく表裏のない姿を見せることが重要」だと考えています。ところが、そう言っている人でも実際は極めてわかりやすい二面性を現しているということなのです。
例えば、私は、昔、ある超高級ホテルのバンケットルームのバックヤードで、それまで、お客様にニコニコ顔で応対していたホテルのマネジャーが、スタッフに向かっては鬼の形相で怒鳴りつけているシーンを見たことがあります。普段、フロントやバンケットで見る親切丁寧なホテルマンとは違う「裏の顔?」を見たようで、その時は非常に残念な思いをしたのを覚えています。
このマネジャーからその時の気持ちや目的を聴くことが出来なかったのは残念ですが、私なりに考えてみると、それも「エンドユーザーの満足」のために、最大限の「叱咤」をしてスタッフを鼓舞していたのだろうと思うのです。しかし、残念ながら彼は、スタッフの「主体的なやる気」を引き出すのではなく「無理矢理むち打って追い詰める事」で、生産性を上げようとしていたのかも知れません。彼がそれを意図的に行っていたか、彼自身が、もうどうしようのないくらい追い詰められていたのかは私にはわかりませんが、彼にとってはそうすることが「自分の責任」を果たすことだと考えていたのでしょう。
彼は、当時の上司からホスピタリティの重要性と共にスタッフのやる気を引き出すことの重要性も教えられていたはずです。このホテルはそう言うことをかなりしっかりと部下に教育するホテルですから、必ず行っていたはずです。しかし、彼は(その時は)そう言うやり方を採らなかったのです。そして、それを見た私は、彼の「二面性」を残念に感じたのは事実です。
さて、冒頭の店長のお話しに戻りましょう。
彼は、店をどうしたいのでしょうか?お客様をどう考えているのでしょうか?スタッフの事はどう考えているのでしょうか?そして、自分の「責任」はどの様に捉えて、どの様に解釈しているのでしょうか?
ひとには、その発言や行動に「思惑」「目的」「意義」などを持っています。しかし、それを達成しようとするときに、端から見ていると、その方法が相手によって違うことを感じます。それは、周りはそのひとの「思惑」「目的」「意義」は理解していないからなのです。その結果、ひとはその二面性を誤解されてしまうのです。
私はこう言う「二面性」については、賛成は出来ません。しかし、残念ながら私も無意識にやっています。それは、自分がどう見られているのか?その見られ方によってどう理解されどう誤解されているのかを、常に意識出来ていない未熟者だからです。きっと、もっと「相手軸」に立てれば、この二面性は消えていくんだと思います。
冒頭の店長にも、早くそのことに気がついて欲しいですね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月09日
- 10:55
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