店長は「話し上手」になりたかったら「聴き上手」になろう(その2)
「店長、質問して良いですか?キャンペーンの目的のところがよくわからなかったんですが、つまり、こう言うことを言っているんでしょうか?」
業績を上げ続ける優秀な店長の「コミュニケーションの秘密」を探るために、私は、その店長の店の「店舗スタッフミーティング」に出席をして、店長の「伝える力」を観察することにしました。(昨日の続きです)
3日前、この店長のコミュニケーションの秘密を探ろうとして一日密着したものの、判明したのは「極めて我慢強い聴き上手」であることでした。「話し方」「伝え方」については、ビックリするほどの技量があるとは思えなかったのです。むしろ、普通の店長よりは下手なんじゃあないのか?と思えるような話し方だったのです。そこで、私は、店舗スタッフミーティングならば、店長が色々と説明をするシーンがあるので、ここでしっかりと準備をして「わかりやすいプレゼンテーション」をするのではないか、と思ったのです。
さて、いよいよ店舗スタッフミーティングが始まりました。店長は、本社から送られてきたキャンペーンの説明書を元にスタッフにプレゼンを始めました。そして、20分後、店長の説明は一通り終わりました。しかし残念ながら彼女のプレゼンは、特に変わったところもなく、本社が用意した説明書を一生懸命に読み上げるだけ・・・・どこにも、私が期待していたような「業績を上げ続ける優秀な店長の秘密」は見あたらなかったのです。
そんな私の頭が「???」となっていたときでした。ひとりのスタッフが、手を挙げて質問をしたのです。それが冒頭の言葉です。
「あ、ゴメンね、わかりにくかった?じゃあもう一度説明するわね。」
店長はスタッフの質問に答え始めました。しかし、今度は説明書は見ていません。
「私はね、今度のキャンペーンの目的はこう言うことだと思うの・・・」
店長は、自分の考えや想いを語り始めました。すると、それを聴いたスタッフ達は次々に、自分の考えを話し始めたのです。すると、店長はもう何も言いません。3日前のように、じっくりと聴くのです。
その後も質問や意見交換は続きました。結局、店長が話したのはミーティングの冒頭の20分だけ。そのあと約2時間、スタッフ達は、会社から送られてきた説明書を元にして、自分達でディスカッションを続けたのです。
「こ、これか・・・・・この店が、いつも高い成果を上げる秘密はこの主体的なディスカッションにあるんだ。」
「でも、店長は上手い説明など全然していないぞ・・・・むしろ、説明不足なくらい・・・・」
と、ここまで考えて、私は、ようやく、彼女の凄さを垣間見た気がしたので、そのことを彼女に尋ねました。
「そうなんです。私はわざと全部説明しないようにしています。必ず肝心なところを空白にして説明するんです。肝心なところとは、『キャンペーンの目的』です。これは、会社や私の考えもあるけれど、自分達でしっかりと理解しないと行動には落とせないんです。これは、一方的な説明だけでは心には落ちないんですよ。だから、彼女たちに質問をさせて、その後は自分達でディスカッションをするように仕向けています。」
彼女が、ミーティングで、「あれ?よくわからないぞ?」という説明で終わっていたのには、理由があったのです。しかし、ここで疑問が湧いてきます。もしも、スタッフが質問をしないで、「はいわかりました。」と、わからない説明に対して適当に反応してミーティングが終わってしまったら・・・・
明日は、そうならないようにするための彼女の工夫についてお話ししましょう。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月17日
- 06:34
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