顔晴れ店長!ブログ

そうだ「お店の健康診断」をしよう:その29キャパシティを高めて行こう

そうだ「お店の健康診断」をしよう:その29キャパシティを高めて行こう

第3章:プレイスの健康状態を調べよう

⑦キャパシティを高めて行こう・・・キャパシティ以上には売れないのです


「今日のランチタイムの売上目標はいくらですか?」

店舗を訪問していた営業部長から、こう尋ねられた店長は答えました。

「はい、15万円です!」
「なるほど。では、それってどういう計算をしたのかを教えて下さい。」
「いえ、気合ですよ!気合!計算なんてしていません。だいたいいつも満席で7万円なんです。だから今日は気合で2倍の15万円売ります!」

こんな笑い話のような会話が、店舗の現場ではよく行われています。
確かに売上げを増やすには「気合い」も大切な要素でしょう。気が抜けていては仕事になりませんからね。
しかし、笑い話をしている場合ではありません。「気合い」だけでは、売上げを高めていくことは出来ないのです。売上を増やすには「理屈」も必要なのです。

この店のランチタイムは、11:30~13:30の120分
客席は、40席。4人席が多いので、満席時の稼働率は、80%
ランチタイムの平均客単価は、700円
お客様一組あたりの滞在時間は、平均30分

この条件で11:30から13:30までの間お客様が途切れることなく、満席が続いたとしても、約9万円が限界売上げです。

この店長が、いくら気合いを入れてがんばっても、この条件がある限りは、9万円以上売る事は出来ません。
「15万円売る」のならば、「気合い」の他に、「客席稼働率を上げる」「客単価を上げる」「滞在時間を短くして回転率を上げる」「お持ち帰りの仕組みを導入する」「11:30から13:30まで客足が途切れないようにする」などの具体的な活動が必要になります。それでもまだ難しいですけどもね。

しかし、「客席数」は、変えることが出来ません。もちろん、改装をしたり、レイアウト変更をしたりすることも可能ですが、今日のランチタイムには間に合いません。「客席数」という物理的なキャパシティは変えられないのです。

ここで店長がしなくてはならないのは「キャパシティを最大限に活かす」ことです。
そして、その次は「キャパシティを増やす」ことに注力していくのです。


「キャパシティを最大限に活かす」には、お客様が途切れないように吸引することが基本です。また、滞在時間の中に「無駄な時間」が発生しないように、キッチンをスムーズに回すことなどに取り組まねばなりません。

次に、「キャパシティを増やす」には、例えば
1)2人席で作っている4人席の組合せを変えて、満席時の客席稼働率(客席レイシオ)を高める
2)キッチンでのメニュー製造時間を少しでも短くして、無駄な客席滞在時間を短縮させる
などの、アクションに力を注がねばなりません。

ただ、これらの「キャパシティ増大策」も、限界はあります。
この限界を「理屈」で理解しておくことが大切なのです。

無理や無茶をしてしまうと、お客様の満足と引き替えでキャパシティを高めて行く方法に手を付けてしまうことになります。例えば、「相席をお願いしたり」「食べ終わった食器をさっさと片付けたり」「大声で『何人様お待ちで~す』と叫んでみたり」「急ぐあまりに接客がぞんざいになったり」してしまうのです。
これでは、本当の繁盛店にはなりません。

キャパシティは有限です。
その有限ギリギリのところまで有効に活用するために、お客様の満足とのバランスの良い限界ギリギリを見極めましょう。


なお、キャパシティは「客席」だけではありません。
「キッチン」にも製造能力といったキャパシティがあります。
「倉庫」にも、「トイレ」にも、「空調」にも、「レジ」にもありとあらゆるところにキャパシティはあるのです。これらのキャパシティは、売上げと密接に関係をしてくるのです。

特に忘れてはならないのが、商品の「原材料」から「仕込み」「調理」「盛りつけ」「配膳」までの流れは、これの最高点のレベルでしか売上げを獲得することが出来ないと言うことなのです。だって、倉庫の在庫以上には売れませんし、キッチンの製造能力以上には売れないのです。

店長の仕事は、お客様に「この店に行こう」と決断して頂いてから、「おいしかった。また来るよ。」と言ってお帰りになるまで、それぞれのポイントでのキャパシティの最上限を獲得出来るようにすることです。
さあ、あなたの店の、あらゆるところの「キャパシティ」をもう一度見直しましょう。


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    • 2014年09月16日
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