ああ~もったいない・・・ターゲットを絞るのが恐くて中途半端な告知をし続けている店
「この店のメインターゲットは、どういう方なのでしょうか?」
「う~ん、基本的には40~50代の女性なのですが・・・でも、若い方にも、もっと来て頂きたいんですよね。」
ある美容室のオーナーが、少し肩をすぼめながら、そして少し不安げな表情でこうおっしゃいました。
この美容室は、都心から少し離れた人気の街にあります。居抜きの店をリニューアルして再オープンして、そろそろ半年がたとうとしています。
最近、ようやく固定客が付き、売上は安定しています。
冒頭の会話は、その店が、ある美容室のクーポン系web予約サイトに掲載している内容を見させて頂いたときに、ふと疑問を感じた私が、オーナーにお伺いしたときのものです。
私が感じたのは、この店のメインターゲットって、40~50代の女性のちょっとセレブな女性のはずだったのに、そのwebサイトを見ると、他の美容室と何ら変わりの無い、若い女性モデルを使って、20代をターゲットにしたような告知をしていたからなのです。
「確かに、松下さんの言われるとおり、この予約サイトは、掲載している美容室の区別って付きにくいんですが、出来るだけ多くのお客様にこの店の存在を知って頂きたくて、、、、まだオープンしたばかりだし、、、、40~50代に絞るのがなんだか恐いんですよ。実際に来店して頂いているお客様も、けっこう若い世代の方が多いんです。男性の方や中学生にも来て頂いているんです。だから・・・」
気持ちはすごくわかります。
起業し、新しく店をオープンしたときは特に集客の不安が大きいものです。
ましてや、この店の立地は、人通りの多いメインストリートの1階にあるわけでも無く、人通りの少ないとおりのビルの2階。通りがかりでふらっと利用されるお客様はほとんどいないでしょう。
そう言う店が、自店舗の存在を世に知らしめる方法としては、クーポン系のweb予約サイトが最も眼に付きやすいんだと思います。もちろん、この店のメインターゲットが、そう言うサイトを見て店を選んでいる人達ならば、この戦術でも良いでしょう。しかし、この店の実際のメインターゲット世代のお客様達は、そのようなwebサイトを見て来店されているのでは無いのです。ほとんどが、「ご紹介」なのです。
当然ながら、そのようなメインターゲット世代のお客様の方が、再来店率も高く、単価も圧倒的に高いのです。
私が危惧するのは、もしも、メインターゲットとは違う世代のお客様が、クーポンを使って利用されている姿を見たり、店内の雰囲気がそう言う世代に自然と合わされていったりすることで、メインターゲットのお客様に違和感を与えてしまわないのかな?と言うことなのです。
20~30代のお客様が、「たまたま」ご来店なさるのならば、若いスタッフも「一時的に」その世代に合わせて空気を作るでしょう。しかし、「意図的に」ご来店頂けるように持って行っていたら、スタッフは「それが戦略」と勘違いするのでは無いでしょうか?
それによって、店の空気、雰囲気が変わってしまうことで、本来のお客様世代とギャップが生まれてくることのリスクは、かなり大きいものになるのです。
この店はとても素敵な店です。
オーナーは大きな投資をして、日夜一生懸命働いておられます。
その志や使命感は高いものが有り、きっとスタッフの心にも届いていることでしょう。
だからこそ、自分が最も望んでいる「メインターゲット」にマッチした戦術を採り、スタッフが迷わないように徹底して欲しいのです。そうすることで、店に「軸」と「特徴」がはっきりと生まれます。ご紹介をされるお客様も説明がしやすくなります。口コミだけでお客様がお客様を呼ぶような店になるのです。
ああ~もったいない・・・オーナーには、早くこの大切なことに気がついてもらいたいですね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年11月18日
- 08:55
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