ああ~もったいない・・・お客様の本当の目的を理解しないスタッフ
「はい、ビデオカメラですね。こちらのコーナーにございます。」
都心のある家電量販店に、家庭用の小形ビデオカメラを探しに行ったときのことです。
その売り場の店員さんに、ビデオカメラはどこにあるのかを尋ねたのです。その時の彼の答えがこれ。ひとまず、普通の回答です。私は、お目当てのビデをカメラを見つけ手に取りました。
すると彼は、すかさず、「新発売の4K対応のビデオカメラはいかがですか?映像がとても綺麗なのでお薦めですよ」
と、新製品をお薦めしてきたのです。しかし、私が求めていたのは、そこまでの高機能製品ではありません。やがて彼は、「う~ん」と言う興味のなさそうな態度を取る私を見て、そっとその場を離れてしまったのでした。
彼は、その量販店の制服を着ていましたから、応援店員では無く、その店の社員なのでしょう。彼のミッションは、「新製品の4K対応ビデオカメラを売る」ことだったのかも知れません。その為、その気のなさそうな私には深入りせずに、他のお客様を探し始めたのでしょうね。
色々と相談をしたかった私は、ちょっと残念な気持ちになり、ため息をつきながらその場を離れ、近くにある別の家電量販店に行きました。そして、その店でも同じように、「ビデオカメラはどこにありますか?」と尋ねました。
答えてくれたのは、パナソニックの応援店員。
彼は、即座に、「はい、こちらにございます。」と答え、「ありがとう」と言って、お目当てのビデオカメラを手に取り、触り始めた私からほんの少し離れながらも、私の様子を見ているのでした。そしてしばらくしてから、「主にどの様な用途に使われますか?」と、私に問いかけて下さったのです。
そこで、私は、自分のセミナーや研修を撮影したいと言うこと、しかし、今使っているビデオカメラだと音声の拾い方が広いので、私の声がはっきりと録音できないという悩みがあることを伝えたのです。
「お客様の使用目的ですと、こちらのソニーのこのタイプなら、ご希望の機能が装備されておりとても使いやすいですよ」
私はビックリしました。
彼は、パナソニックの応援店員でありながら、ソニーの製品を勧めるのです。
それも凄いのですが、それ以上にありがたかったのは、私がどの様な目的でビデオカメラを探しているのかを、その後もしっかり尋ねてくれたのです。
おかげで、ビデオカメラを買うかどうかを悩んでいた私は、疑問が解消され、その結果、そのビデオカメラを買う決断が出来たのです。
お客様には、表面的な要望(今回の私なら「ビデオカメラを買う」)があります。
しかし、もう少し深い所にある目的(研修やセミナーを記録する)や、購入を躊躇する悩み(音声が拾いにくい)があるのです。それを引き出すことが出来る販売員は、お客様の最終判断を確実に後押しすることができます。
あるスポーツクラブのトレーナーにうかがったお話もご紹介しましょう。
彼は、プールを使ったシニアの機能回復運動をメニューに入れているスポーツクラブのマネジャーをしています。彼らがこだわっているのは、自分の運動機能を取り戻そうとトレーニングにやって来るシニアのお客様に対して、しっかりとその目的を尋ねることにしているそうです。
そのことで、そのお客様に対するトレーナーの寄り添う気持ちが、ずいぶんと高まったそうです。
「はい、おじいちゃん、しっかり歩きましょう!ほら、もう少しでお孫さんと一緒に公園に行けますよ!がんばれ~」
ただひとりで歩けるようになりたいという希望ではなく、お孫さんと一緒に公園まで歩いて行きたいという希望を叶えさせる。これは、同じように見えますが、それを理解して指導するトレーナーの気持ちは、間違いなくおじいちゃんに伝わるようになります。そして、それは、おじいちゃんのリハビリに対するやる気をぐんぐん高め、機能回復の成果をより高めて行くことになるんだそうです。
「お客様の本当の目的を理解する」
あたりまえですが、出来ていないところが多いんですよね。
ああ~もったいない。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年12月03日
- 06:29
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