あなたと働きたいと言われる店長のシンプル習慣・・・ステージ4:その6
「部下を育てると言うことは、単に任せると言うことでは無いんですね」
私のコンサルティング先のある店長が、私にこう言いました。
彼は、「任せることが育てること」と、何かの本で読み、それをそのまま素直に実行していたのでした。
しかし、任された部下はミスをしたり、自己判断でトラブルになったりして、彼が思うような育ち方をしてくれないことに少々いらだちを覚えていたそうです。
そんな時に、私が行った「自分の上司が自分をどの様に育てて下さったのかを振り返る研修」を受講し、よくよく考えてみれば、上司もただ単に任せてくれたのではなく、その前の準備や、任せられ中のフォローなど、ずっと近くで見守って下さっていたことに気がついたのです。
「”任せる”ことと”放任する”とは同じではない」
「丸投げをしても部下は育たない」
私自身も昔、上司から常にこのふたつの大きな違いについて指導して頂きました。
世の多くの上司は、「任せないといけない」と思って、「仕事を任せる」のですが、その後がないのです。
なので、トラブルが起きてからてんやわんやしたり、それが部下の自信を失わせたり、間違った方法を身に付けてしまったり、あげくは、自分が任せたのにもかかわらず、部下を叱ってしまうのです。ひどいですよね。
一方で、「部下育てることに長けている上司」は、決して「放任」はしません。
一見突き放しているように見えても、必ず柱の陰から見ているのです。
この本の、この4章の最後に登場する「十二指腸潰瘍になって倒れてしまった店長」も、自宅静養中にもかかわらず、店の近くから店の様子をうかがっていたことがありました。
もちろん、そこまですることを私は奨励しません。しかし、彼は、自分の体調のせいで否応なく部下に店を任せることになったことを申し訳なく思い、何度も店に行ったのです。しかし、スタッフ達は、頑として店長を店に入れませんでした。なので、店長は、仕方なく、店の前のベンチに座って店の様子を見ていたのです。
スタッフ達は、店長の体調を心配しつつも、そんな店長の姿勢に強く胸を打たれ、ますますがんばったのでした。
部下に「仕事を任せる」とはどう言うことなのでしょうか?
多くの上司は、部下にただ単純に仕事を丸投げし、無責任に放任をしているだけなのです。
悲しいことにそう言う上司は、部下が任された仕事でミスやトラブルを起こすと、ガミガミ叱ります。そして、部下の自信を奪い取っていくのです。
「任せる」とは、そう言うことではありません。
「任せる」とは、「見守る」ことなのです。
「見守る」とは「横について手取り足取り指示をすること」でもありません。
「見守る」とは、文字通り「見ることで守る」ことです。
決して、横やりを入れたり、制限したり、誘導したりすることではありません。
時には、経験として必要と考えたら、失敗そのものも「見守る」こともまた有りなのです。
その結果、部下は、上司の「見守り」を感じ、自分の「成長」を実感し、第4ステージの上にしっかりと立つことが出来る様になります。
そんな彼らを見たら涙が出るくらい嬉しいですよ。
さあ、部下に「仕事を任せ」ましょう。
そして、責任を持って「見守り」ましょう。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年05月22日
- 09:07
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