お客様との会話がスタッフを育てる

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2012年07月28日 08:21



私が、何度も足を運ぶ店ってどんな店なのかな?と考えてみました。

もちろん、そこでしか買えないものを売っている店、そこでしか食べられないメニューのある店、近くて便利な店、安くて良い物を売っている店、それももちろんありますが、つい自然と足を向ける店というのは、お気に入りのスタッフのいる店のような気がします。

礼儀正しいけれども堅くはなく、親しみがこもっているが馴れ馴れしい訳ではない。

逆に、何となく、足が遠のく店はこの反対。

笑顔が無く、会話もなく、暖かさも感じない、そう言う店です。


お気に入りのスタッフに共通する要素は・・・「会話」です。

接客時の6ステップや9ステップと言われる、「いらっしゃいませ」から「ありがとうございました」までの応対は、「会話」ではありません。

それは「接客応対の基本」・・なのです。


そう考えると、なんと「会話」の無い店の多い事か・・・

お客様は、商品を買いに来たのだから、食事に来たのだから、会話なんて必要はない。

そういうことを言う店長やスタッフもいます。

自分ならば、そんな事(会話)をされるとうっとおしい・・・・と言う方もおられます。

そう言う人もいるでしょう。

それはそれで別に良いのです。

その人はそうなんだから。

でも、そう言う考えが世の中の大多数ならば、そう言う店だけが流行るはずです。

しかし、現実は違います。


しつこい訳でも暑苦しい訳でもなく、親しみがあり、暖かみのある接客・・・・そしてその中での会話。

基本的な接客用語すら出来ないような店は、もちろんその前に基本を徹底する必要はありますが、その基本で終わっている店も結構多いですね。

マニュアルで接客用語やステップを決めている所に多い現象です。

基本的な言葉での接客はして下さいますから、別に悪い気はしません。

もちろん、二度と行きたくなくなるような要素はそこにはありません。

しかし、そのマニュアルステップで、もう一度行きたい!と言う要素もないのです。


基本はあくまでも、嫌われない為の防衛力の向上です。

お客様は攻めないと好きになってくれません。

「会話」はお客様に好きになっていただく、最大の攻撃力です。

(ちょっと、戦いの用語を使うのは、微妙な感じですが・・・)


「会話」は、スタッフのお客様への、気持ち、満足していただきたい気持ち、相手の立場に立とうと言う気持ちから生まれてきます。

自分ならばこうして欲しい、こうして欲しくない、と言う「自分軸」から

相手はどうして欲しいんだろう、どうされたくはないんだろう?だから聞いてみよう、と言う「相手軸」に立つ事で生まれてきます。


一方的に自分の想いを伝えるのは「会話」ではありません。

相手の想いを聞き出すのが「会話」のスタートです。

お客様との「会話」が出来るようになると、スタッフの意識は格段に向上します。

お客様に向かって向上するのです。

すると、急激に接客レベルが向上していきます。

お客様の反応が解るようになるからです。


例えキビキビしゃきしゃきしていても、店のピークをサクサク廻す事だけに、意識が行っているリーダーは、未だこれに気がついていないかも知れません。

メニュー説明だけでヘロヘロになっている新人スタッフには、未だ荷が重いのかも知れません。

でも、簡単です。

まずは、「会話」をさせる、のです。

そのうち、「会話」が出来る、ようになります。

そして、「会話」がしたくなる、まで毎日毎日フォローするのです。

必ず、お客様の気持ちに目と耳と口が向くようになります。


「なんだか、また行きたいな、アノお店」

そう言う店には、必ず、気持ちの良い「会話」があります。


「今日は暑いですね~」のひと言からでも、始めてみましょう。

間違いなく、大きな成長の一歩となりますよ。


関連記事