「相手軸思考発見」⑧相手軸ラーメン店「一蘭」のこだわり

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2012年12月06日 08:11




「ご注文全て確認させて頂きました。ありがとうございます。少々お持ち下さいませ。」

と、深々と礼。しかし、店員さんのその姿は、カウンター席の正面にある小さな小窓から、チラッと見えるだけ。

あとは、厨房内から元気な声だけが響いてきます。


昨日のランチは、吉祥寺に出来た博多ラーメン店「一蘭」でした。

ご存じの方も多いかと思いますが、この店とても変わっています。


味に自信があるので、お客様に、集中してラーメンを食べて頂く為に

世界で始めて「味集中カウンター」を導入したと言う、唯我独尊ラーメン店です。


まあ、売れているラーメン店は、全て唯我独尊であるとは思いますが、

それはほとんどが、ラーメンの味に対するこだわりがメインだと思います。


ところが、この「一蘭」は、ラーメン自体のおいしさもかなりの物なのですが、

それ以上に、その食べ方に対する「自分軸主張」+「相手軸思考」が凄い。


味に集中して欲しいという理由から、カウンター席しか無く、

それも1席1席が仕切り板で、区切られており、自分一人の世界に集中出来る環境を作っています。

さらに、店員の視線さえもカットし、お客様から厨房が見えないだけでなく、厨房からもお客様の顔は一切見えません。


これ、考えようによっては、笑顔のサービスが不要なようにも見えるのですが、そう思わせないような、厨房内での深々としたお辞儀、丁寧な応対の声、元気なオーダー通しの声などで、カバーしています。


このシステムが、「自分軸主張」が明確である点は、この特異なシステムでよく解りますが、

もう一つの側面、「相手軸思考」である点も、なかなかレベルが高いのです。

それは、女性のお客様に対する気づかいです。

まず、こう言う客席レイアウトのおかげで、気兼ねなくひとりでも利用出来る。

替え玉や追加オーダーは、声を出さなくても、チャイムとオーダー表で出来る。

コート掛けも荷物掛けもあり、実に細かい所に気を配っています。


実際、女性一人客が、私と入れ違いで入店されていましたので、このコンセプトはしっかり、女性客にも伝わっているようです。

たまにはひとりでラーメンを食べたい。替え玉もしたい!そう言う女性ニーズに、ちゃんと答えているんですね。


この一蘭の仕組みは、受け入れたい人だけが来て満足する仕組みですので、押しつけでもお節介でもありません。

本当に、良く相手の事を考えた仕組みだと思います。

まさに「相手軸思考」による成功事例ですね。


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