「相手軸思考発見」⑳私はこう思うがあなたはどう思う?

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2012年12月18日 09:25




「私は、これについてはこういう風に思うんだけれど、君はどう思う?」


これは、一見相手の考えを引き出す、オープンクエスチョンのように聞こえます。

しかし、こういう風に言われた相手は、頭の中では、このように考え始めます。


「まあ、上司がそう言うのならば、私もそう思います、って言っておこう」

「え~、私は違うと思うんだけどなあ。でも違う意見を言ったら叱られちゃいそうだな」

「う~ん、何を言おうとしているのか良くわからないなあ~。とりあえず、同調しておこう」


勿論、主体的に自分の意見を言える人もいると思いますが、

言えないので、とりあえず同調しておく人も多いのです。


自分の意見を言ってから,相手に意見を求める質問方法は、

相手の考えを引き出す質問としてはちょっと意図的です。

力関係が強い立場の人がこれをすると

「相手の考えを引き出す」と言うよりもむしろ、

「相手に考えを押しつける」質問形式になってしまいます。


相手が、意見を出しにくいから「例」として、自分の意見を紹介している、

と言う考えもあるのですが、

相手にとっては、これは「例」ではなく、「上司の意見」そのものなのです。

これには、ほとんどの部下は太刀打ち出来ません。

本当に意見が出しにくくて、「例」が必要ならば、自分以外の人の「例」を出した方が良いのです。


では、逆に、部下の立場で、上司に意見を求める時にはどうでしょうか?

「部長、教えて下さい」

こういう風にシンプルに教えを請う。

この方法が一番良いですよ、と多くの方が推奨されています。

このちょっと依存的な聞き方が効果的なケースは、

上司が「コンサルタントタイプ」で正しい答えを教えたいタイプの場合です。

こう言う上司の場合は、この聞き方はかなり効きます。

でも、私がこう聞かれても、簡単には教えません(笑)


なので、上司がコーチタイプの場合は、この方法は効果的ではありません。

コーチタイプは、部下から考えを引き出そうとします。

なので、教えて欲しい、と来てもそうは簡単に教えてくれません。


コーチタイプの上司には、

「私は、これについてこう言う考えを持っています。部長は、どう思われますか?」


部下の立場では、先に意見を言う方が良いのです。

こうすると、コンサルタントタイプの上司の場合でも、

それを踏まえた上で、上司の考えを伝えてくれるでしょう。

コーチタイプの上司だと、同様にそれを踏まえた上で、さらに質問をされて、

部下の中になる答えを探し出してくれるでしょう。


コンサルタントタイプでも、コーチタイプでも、上司として部下の成長を願っているのは同じです。

しかし、単純に教えを請うのではなく、自分の考えを述べた後に教えを請う方が、より主体的です。

単純に上司の考えだけを仕入れて、それになびくのは、ただの「迎合」です。


あなたが部下の場合、何かわからなくなったら、先に意見を言ってから質問しましょう。

あなたが上司の場合、先に意見を言ってから相手の意見を求めるのは止めましょうね。


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