「相手軸な話」㉜「この子達は絶対にやる気があります」

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年02月25日 07:35




「この子達は絶対にやる気があります」私信じています。だからもう少しだけ時間を下さい。

営業部の上司と一緒に、その店を訪問したスーパーバイザーは、上司にこう言いました。

その店は、そのチェーン店の中で「問題店」と言われる店でした。
特に男子大学生は、身だしなみも整えておらず、言葉遣いもマニュアルからはほど遠い無愛想さ。いつも私語が多くて、バイトには仕事と言うよりも仲間としゃべるために来ているような、そんな店でした。だから、上司からは、いつになったら改善出来るのか?とずっと言われてきたのです。

そんな空気感の悪い店でしたから、担当スーパーバイザーも、訪店(臨店・店舗訪問)する時は、晴れやかな気持ちになりきれない自分を感じていたそうです。

そしてもうすぐ3月。毎年4月にアルバイトの契約更新をするのがこのチェーン店の決まりです。自動更新では無くきちんと面談をして、4月から継続するかどうかを決めて再契約をしています。

この1年ほど、この店をやや避けていたスーパーバイザーも、そろそろスタッフ全員の契約更新作業を行わねばなりません。その為には、全員との面談が必要です。
そして2月のある日、、、はあ~、と思いながら訪問したその店には、、、なんと問題店を代表する問題児大学生が3人ともシフトに入っているではありませんか!

え?何コレ?・・・スーパーバイザーは一瞬たじろぎましたが、一呼吸置いて考えました。
「これは、神様が私を叱っている!そして、今日ちゃんと3人と話をしろとおっしゃってるんだ!」スーパーバイザーは、覚悟を決めました。

腹をくくったスーパーバイザーは、一段テンションを上げて、
「おはよう!元気?今日は契約更新の面談をしたいんだけど、みんな時間ある?」
「イイッスよ。僕からお願いします!」
一番やんちゃな大学生が、手を挙げました。

「あれ?」いやがるんじゃあ無いんだ・・・絶対にぶつくさ言って、面談をいやがるとばかり思っていたのに・・・そう思いながらスーパーバイザーは彼と面談を始めました。

大学生「実は、僕もスーパーバイザーと話をしたかったんです。宜しくお願い致します。」
SV「あらそうなの、ありがとう。じゃあ、早速、色々聴かせてね。」

そう言いながら雑談を交えて、店の問題点や目標、本当はこうしたい、こうした方が良い。自分はこういう目標がある。大学を卒業したらこうなりたい。だからアルバイトでは、こんな経験がしたい・・・などなど。
彼は堰を切ったように彼は話してくれました。

そうか、、、、彼らは何も考えていないんじゃあないし。単にだらだらしたり、ちゃらちゃらしたりしているんじゃあ無くて、迷ったり、考えたり、動いてみたり・・・・試行錯誤しながら過ごしているんだ。そんな悩める彼らの考えや目標を聴いてあげていなかったから、彼らは反抗的な行動や逆にだらだらした態度をとっていたんだ!スーパーバイザーは、この1年間の自分の消極的な行動を反省しました。

この問題店には、実は店長がいません。アルバイトのリーダーもいません。それ故に、ただ何となく運営だけが続けられていたのです。
スーパーバイザーは、腹をくくりました。
「よし!この子達のことをもっと信じてみよう。仕事は未熟だから、信頼はしきれないけれど、そこはしっかりとトレーニングしよう。でも、意欲や目標や希望やお客様に対する気持ち仲間に対する気持ちは、信用しよう!」そう思ったのです。

アルバイトが中心に廻しているチェーン店で、なんだかベテランのアルバイトばかりで扱いづらい店って意外とたくさんあるのです。でも、そういう店のスタッフ達は、本当はもっとがんばりたいし、お客様に満足してもらいたい、と思っています。しかし、そこに耳を傾けずに放置しているので、お互いの関係がぎくしゃくするのです。

彼らの気持ちを信じて、そして彼らの声を聴かせてもらえば、彼らが変わろうとしていることにも気づくはずです。そして、関心を持って彼らを見ていたら、彼らの変化、彼らの成長を感じることが出来るはずです。彼らを「問題児」にしているのは、そういう彼らに関心が薄い上司が原因なのかも知れませんね。


※アメブロで、ブログバックナンバーの改定新版を毎日更新しています。
 読み逃した方は、こちらもどうぞ<(_ _)>

http://ameblo.jp/aitejiku/


関連記事