店長が「私は未だ道半ばである」と言うことを謙虚に自覚する方法

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年10月03日 09:02



「誰でも一生懸命にがんばっていたら、未だそれほどでも無いなと言うことを自分では認めたくないものですね。」

と、ある店長に言われました。彼は、パート・アルバイトのために本当に一生懸命色々な工夫をし、配慮をし、気をつかって個人のモチベーションと全スタッフのチームワークを向上させてきました。

彼の上司はそれを認め、彼に高い評価を与えて来ました。もちろん、パート・アルバイトからも厚く信頼されていました。しかし、ある時、あるアルバイトが突然「私、バイト辞めます」と言ってきたのです。彼は愕然としました。彼女がそんな気持ちになっていると言うことを全く把握していなかったからです。そして、彼女は引き止める間もなく辞めてしまいました。

「彼女から辞めるという話を聴いた時は愕然としました。しかし、その時点で原因が自分にあるとは思ってはいませんでした。彼女は個人的な都合で辞めるんだとそう思っていたのです。しかし、話を聴くと実は私の店長としての観察力の無さの問題だったのです・・・私がもっと早く彼女の悩みに気がついていたら・・・」店長は、とても悔しそうに話してくれたのでした。

店長の言う「自分の観察力の問題」とは、辞めた彼女と先輩バイトとのほんのチョットした行き違いで起きた彼女の悩み、気持ちを素早く感知していなかったことでした。店長は、スタッフを巻き込み、盛り上げ、お客様のための全力を尽くす熱いチームを作り上げている自信がありました。スタッフ同士も仲が良く、意見の違いはあってもそれは前向きな議論として承認していました。今回の件も議論が白熱したことが原因ではありませんでした。

実は、彼女が辞める原因となったのは、「まじめにやれ」と先輩のバイトに叱られたことがキッカケでした。話を聴くと「叱られたことと言うよりも、自分なりに一生懸命にやっていたのに、作業の遅さや要領の悪さに対して『まじめにしていない』と決めつけられたことが悲しかった」というのです。

先輩バイトの叱咤激励・・・・本人は決して不真面目にやっているわけではない仕事ぶりに対して「まじめにやれ」は言い過ぎなのかも知れません。しかし、その先輩バイトをよく観ていると「まじめにやろう」とか「まじめにやってよね」とか、「まじめ」という言い方がクセのようです。ただ、今回はその口癖がひとりの新人バイトを傷つけてしまいました。

店長は、その先輩バイトの言い方の厳しさは、決して嫌な言い方では無く、強いリーダーのイメージにマッチしていたので時に心配はしていませんでした。また、店長の目指す店作りのなかでチームを盛り上げるためにキーとなる人材として大いに頼っていたほどでした。

しかし、現実にはそれに合わないバイトも存在します。このことに早く気がついていたら、先輩バイトには更に良い言葉使いを意識させ、新人バイトには、リーダーの真意を解説しフォローしてあげられたかも知れない・・・店長は、自分がそのことに対して後手に回ったことに対して、大いに反省したのでした。

店長に限らず、調子良く物事が進んでいる時は、なかなかその影で起きている小さな問題に気づくことが出来ないものです。いくらパート・アルバイトを盛り上げてチームワークを高めていっても、なかにはそれについて来られない人もいるかも知れないのです。今回のように「口癖」が原因で辞めてしまうパート・アルバイトもいるのです。そのパート・アルバイトの微妙な変化にいち早く気づくための大原則は、「コミュニケーションの質を高め、量を増やす」ことです。

でも、30人、40人とパート・アルバイトがいたら、忙しい店長は常に全員とバランス良くコミュニケーションを取ることは非常に難しいのです。しかし、問題点が起きそうなポイントや黄信号が点灯しているようなポイントが、あらかじめわかることが出来たら、また、それを定期的に警告してくれるような仕組みがあったら、店長は助かりますよね。

それは「従業員満足度調査」と言うアンケートなのです。
このアンケートを取ることで、店長は自分が未だ気がついていない店舗の黄信号に気がつくことが出来るのです。

さて、続きはまた明日。

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