新人店長は「帳尻」を必ず合わせるべし

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年10月28日 11:01




「店長、16時の折り返しで20万円に未だあと少しです。17時までには挽回しないと厳しいので、ひとっ走り駅前でクーポンをまきに行ってきますね!」

こう言って元気なアルバイトが、店を飛び出していきました。
このレストランは平日の売上目標が40万円。夕方16時くらいがその日の折り返し点の目安になっています。しかし、この日はランチタイムの入りがかんばしくなく、折り返し点で15万円ほど、目標まで全然足らない状況でした。そこで、アルバイトスタッフが、何とかディナータイムが始まるまでに追いついておこうとクーポン配りに飛び出したのでした。

なぜこの店では、こんな風にアルバイトスタッフが積極的に動いているのでしょうか?それは、店長が上司から掛かってきた電話にいつも次のように答えていることが要因のひとつなのです。

「はい、、、、はい、、、大丈夫です。ランチの入りはイマイチでしたが、雨も上がりましたし,ディナーはバッチリ確保出来ます。目標売上げは楽勝ですよ!お任せ下さい!」

店長が電話で上司と話している内容は、近くにいたアルバイトスタッフにも聞こえています。と言うか聞こえるように話しています。同時に、店長はアルバイトスタッフに目配せをしています。目配せされたアルバイトスタッフは、言葉では指示を受けてはいませんが、すぐに手配り用のクーポン券を用意し始めています。で、店長の電話が終わるやいなや、冒頭に様に言い残して店を飛び出していったのです。

「さあ、みんな今の電話聴いてたわよね!本社には今日も目標は楽勝です!と言って置いたわよ!ランチの売上げ不足は、ディナーで取り戻すからね!!」
「わかりました!じゃあもう少し仕込みを増やしてきますね!」
「私は、ホールのポジション計画をもう一度見直しておきます!」

ランチタイムが厳しい入りの時に、自動的にディナータイムで売上げが挽回出来る保証などどこにもありません。むしろランチが厳しかったら、ディナーも厳しくなるのが普通です。でも、この店長は上司からの電話に「大丈夫、楽勝」とはったりをかましています。そして、それはスタッフ全員が共有しています。このはったりが、この店のディナータイムへのターボエンジンのスイッチオン!となるのです。

「本社に大丈夫任せなさい!と言ったからには何が何でも目標売上げは獲得するわよ!はったりは達成させないとただの嘘つきだからね!私は嘘つきが大嫌いなの!営業時間を延ばしてでも売り切るわよ!!」

アルバイトスタッフは店長のいつもの気合いを良く理解しています。この店長が無理と言うときは無理、しかし、何が何でもやる!と宣言したときは必ず数字は合わせてくることを知っています。そこでダラダラ動くことは許されません!店舗全体のスイッチが、カチーンと入る瞬間でした。

昨日お話ししたように、店長業をしていると、上司に対してはったりをかますことが必要なときがあります。でもその時に、言った通りの結果を出さないと、ただの大風呂敷を広げるいい加減な奴と同じです。そうならないためには、「帳尻を合わす」事が非常に大切です。この店のようにそれがスタッフのスイッチオンにも繋がることにもなるのです。

新人店長に限りませんが、自分やスタッフに気合を入れるときなどに、是非この「はったり」と「帳尻合わせ」を上手く活用してみて下さいね。きっとスイッチが入る音が、カチッと気持ちよく聞こえてきますよ!

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