新人店長は「ごちそうさま」を言おう

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年11月21日 10:46




「おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。」

ある店長は、自分が外食時、レストランなどで食事をしたら食べ終わった食器をかたづけるスタッフに必ずこう言います。もちろん、お勘定をして帰るときにも、必ず言います。

レストランで働いているときに言われて一番嬉しいのは、この3つの言葉です。言われた瞬間鳥肌が立つときもあります。目頭が熱くなるときもあります。これを言われると、その後の自分のモチベーションは上昇し、さらに良い仕事が出来る様になります。それがお客様にも伝染して、お客様がもっと喜んで下さるようになります。

卵が先か?ニワトリが先か?

自分の素晴らしい接客でお客様が喜んで下さり、もの凄く感謝される。そして、その感謝の気持ちで自分のモチベーションが更に上昇する。すると、またお客様が喜んで下さる。どちらが先かは、あたりまえですが、自分が素晴らしい接客をすることが最初に出来なくてはなりませんよね。

さて、この店長は新婚です。ある日、自宅で夕食を食べた後、奥様に何気なく「おいしかった。ごちそうさま。ありがとう。」と言ったのです。すると、いつもは頼まないと出てこない食後のコーヒーがすっと出てきたのです。奥様の顔にはいつもの数倍笑顔があふれていました。彼は、「あ!」と思いました。スタッフのモチベーションを向上させるのもこれかも知れない、そう思った彼は、お客様スタートでこのサイクルを回してみるとどうなるんだろう?と考えたのです。そこで、外食の時に、必ず、接客してくれたスタッフ達に「おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。」を言うようにしたのです。

するとどうでしょう。彼が利用しているレストランのサービスレベルがぐんぐんと上がっていったのです。しかし、それは自分の店ではありません。自分の店でそれを実現するにはどうしたらいいのだろうか?とふたたび彼は考えました。そこで彼が取った作戦は、「感謝する時の気持ちを経験する」という作戦でした。つまり、自分と同じように「食事をしたら自分から先に『おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。』を言おう、とスタッフ達に薦めたのです。

スタッフ達は店長が言うように、自分達でもレストランで食事をしたら、「おいしかった。ごちそうさま。ありがとう。」と言うようにしてみました。しかし、いざそれを言おうとしても、言いたくないような接客をされることがあります。それはつまり、自分が接客をしているときに「おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。」と言われないときのお客様の気持ちと同じだと言うことにスタッフ達は気がつき始めたのです。

接客の仕事をしていると、「相手の立場に立つ」ことの大切さをよく教えられます。しかし、相手の立場に立てといわれても、最初は想像の世界でしか立てません。でも、普段は店側にいるスタッフでも、お客様になるときがあります。その時に、自分がどんな接客をされたら嬉しいか?悲しいか?残念か?を感じるようにするのです。と言うか、それは誰でも感じています。ポイントは、その時に今度は自分が店側に立ったときにそれが出来ているかどうか?を見直すことなのです。

「おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。」と言われなかったとき・・・・お客様はどんな気持ちだったのか?それは、自分がお客様の時に言いたくなかった・・・その気持ちと同じですよね。

店長が自分の店のスタッフを、「お客様の立場に立てるスタッフ」に育てて、お客様にまた来たくなるようなお店にしたいとき、この作戦をしてみましょう!簡単でしょ?だって自分から「おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとう。」と言えば良いのですからね。


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