新人店長は「成功体験」の後を大切にしよう

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2013年12月16日 05:28




「やったら出来るじゃない!おめでとう!よくがんばったね!」

その店長は、今回の新商品キャンペーンの成功に全力を注ぎました。事前準備に時間をかけ、スタッフを巻き込み、デベロッパーとも交渉しショッピングセンターの至る所で告知をし、チラシにも掲載してもらいました。そのがんばりのおかげで、開店以来の売上新記録を達成。新商品の売上げも、チェーン店の中でトップとなりました。

このキャンペーンが始まる1ヶ月前。店長はマネジャーとミーティングをしていました。その時のテーマは、「成功体験で自信を取り戻す」でした。3年前、店長に昇格したときは意気揚々と元気にがんばっていた店長でした。しかし、自分の空回りが原因でだんだんとスタッフとのコミュニケーションがうまく行かなくなり、スタッフの定着も悪化、その結果、慢性的なひと不足が続いていました。休みも取れず、売上も低下し、成果もあがりません。次第に評価も下がっていきました。店長の自信とやる気は底の底まで沈んでいたのです。元はと言えば自分の空回りが原因だったのに、今は出来ない理由の言い訳ばかり、問題は誰かのせいにし、結局は会社が悪いと不満を言う始末・・・・

そんな状態を脱出させようとマネジャーが考えた店長の復活作戦。それは、「成功体験で自信を取り戻す」と言う作戦でした。マネジャーは、弱気な店長を励まし、時に厳しく叱り、しかし、プレッシャーで追い込むのではなく、小さな成功をほめながら伴走していきました。

チョットした笑顔、ネクタイの締め方、スタッフの挨拶の仕方、お客様の笑顔・・・店で起きている現象を認めてほめるという行動を繰り返し、少しずつ調子に乗せていきました。人間、「おだてりゃホイホイ」です。おだててやる気を出させようとしていることがわかっていても案外嬉しいものなのです。

店長は、認められほめられる毎に調子を上げ、1ヶ月後のキャンペーンに向かって細かい準備を進めていきました。また、自分が上司からほめられ続けると自分も部下をほめ始めるものです。次第に店の雰囲気も明るくなっていきました。そして、キャンペーンに突入。結果はオープン以来の最高売上を記録!店長にとって大きな自信となったのです。

しかし、この喜びもつかの間・・・・がんばって得たはずの成果と自信は、そんなに長くは続かなかったのです。

キャンペーン後、会社の行事や多店舗のフォローで忙しくなったマネジャーは、この店長のフォローをあまりしなくなっていました。結局、2ヶ月後には、元の状態・・・自信を付けたらどんどんと自分で動き始めるだろうと思っていたマネジャーの目論見は、はずれてしまったのです。

原因は、「うまく行った理由をまだ自分のモノに出来ていなかった」と言うことでした。先日ブログ「売れた理由を理解する」というのと同じ事ですね。いくら結果が出ても、そのプロセスや仕組みを他の仕事にも応用できていないと良い状態は長続きしません。

うまく行った背景には、日頃のコミュニケーションや細かいシステムの継続などがあったはずなのです。マネジャーが伴走していたときは、そのチェックをマネジャーがやっていました。だから出来たのです。しかし、マネジャーがいなくなった後自分ではそれをしていなかった。漏れがたくさん出てきたのです。

自信を取り戻すために「成功体験」を持つことは大切です。しかし、それにプラスして大切なことは、それを継続させるためのキーとなる行動(コミュニケーションやチェックリストの仕組みや継続のための工夫など)を忘れさせないことなのです。店長にとっては、スタッフの成功体験も同じ事です。

一度の成功でうまく行くなら世話はありませんよ。
さて、あなたの部下は、今日もキチンと継続していますか?
ほったらかしはダメですよ。
さあ、今からでもチョット確認してみましょう!

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