「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その10

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年06月18日 04:41




第2章 「売上」はこう考えるとわかりやすい・・・・「売上」の理屈と中身を知ると何が必要かが見えてくる
③「客数×客単価」だけではないもう一つの売上げの計算式


「みなさん、売上とは、何×何でしょうか?」

M部長は、ホワイトボードに 売上=『   』×『   』 と書きました。

「売上は、客数×客単価です。」と、研修に参加している店長から即答が返ってきました。
「はい、その通りです。さすがですね。では、もう一問。売上とは、何×何でしょうか?」

「え?まだ他にあるんですか?聞いたことありません。」
店長達は、一様に頭の上から?マークを出したような表情をしました。

「もうひとつの売上計算式は、『ポテンシャル×吸引力』です。これは、『客数×客単価』のようなシンプルな計算式ではないので、計算方法と言うよりは、売上に対するひとつの考え方だとシンプルに理解して下さいね。」

M部長の言った「売上=ポテンシャル×吸引力」とは、「売上とは、店の商圏内にいる潜在顧客を店が持っているお客様を店に引き寄せる力を発揮した結果である。」と言うことです。

例えば、あなたの店の商圏(既存のお客様がいる範囲)が店を中心とした半径2kmの円形をしているとします。その中には、あなたの店を利用する可能性のある人が、2万人いるとします。これが「ポテンシャル」です。そして、今度はあなたの店の力です。あなたの店には、お客様が店に来る仕掛けや条件がたくさんあります。駅前の良い場所、魅力的な商品、競合店より安い価格、商品を買うたびに押してくれるスタンプを集めると割引になるサービス、そして笑顔で接客してくれる素敵なスタッフ。あなたの店にはこのような「お客様があなたの店を選ぶ決め手」が存在します。それが「吸引力」です。

ポテンシャルからの吸引力を高めることがPDCAの第一目標

あなたの店のポテンシャルが大きければ大きいほど、あなたの店の吸引力が大きければ大きいほど、あなたの店の売上げは大きくなりますよね。PDCAを廻していくと言うことは、このポテンシャルを最大限に獲得するために、どの力をどの様にしてどれだけ伸ばしていくのか?と言うことを突き詰めていくプロセスなのです。

しかし、多くの店が取り組んでいる売上向上策は、この力の内どれを伸ばすのか?何故伸ばすのか?という根拠が不明確です。とりあえず社長や上司が「この力を伸ばせ」、と指示するからそれに取り組んでいるのです。例えば、「お客様の目を引くように入口のディスプレイを派手にしよう」と言えば、それをするし、「お客様を待たせないように動きを速くしよう」とすればそれに取り組むし、「もう一品お買い上げ数を増やしてもらうためのお薦めをしよう」と言えばそれに取り組むのです。

これらは取り組めば、それなりの効果は出ることでしょう。何もしないよりは何かをする方が良いに決まっています。しかし、それは、あなたの店で今一番先にもっとも力を入れて取り組む要件なのでしょうか?あなたは、そんなにヒマではないはずです。朝から晩まで毎日毎日やる事が山ほどあります。忙しいですよね。しかも、あなたの時間は限られています。そんな中で、「あれをやれ」「これをやれ」と言われてやることが、適確にポイントを突いて、もっとも効果がある作戦だったら・・・・あなたは、この研修には来ていないはずです。

M部長から、痛いところを突かれた店長達は、自分達が、一生懸命仕事をしていても、なかなか成果が出ない原因がおぼろげながらわかってきたようでした。

「店長は忙しい」のです。時間も限られています。チームのメンバーと共に、「最重要項目」から順に取り組んで行くことがもっとも成果を上げる近道なのです。それが、PDCAを廻すと言うことなのです。

では明日、明後日は、今日出てきた「ポテンシャル」と「吸引力」について、もう少し詳しくお話ししましょう。
お楽しみに。

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