そうだ「お店の健康診断」をしよう:その8「商圏」って何だろう?

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年08月26日 11:59




第2章:お店の商圏とポテンシャルについて理解しよう

①「商圏」って何だろう?・・・・基本的な考え方を学ぼう

「『商圏の範囲』と『その中にいるひとの動き』をつかまえずに『お客様の引き寄せ方法』を考えてもそれはただの『思い込み』に過ぎない。」

あるチェーン店の出店調査部長は、いつも口癖のようにこう話していました。
彼は、「どんな店であっても、まずは『商圏の範囲』を定義することが一番大切だ!」と強く主張されています。
「商圏」とは、来店される可能性のあるお客様候補、潜在顧客、さらに既存顧客がいる範囲のことです。これらのお客様がどこにどれだけいるのかを知ることが、店舗ビジネスをする上で一番大切なんだ、と言うことです。

では、まずは「商圏」を定義しましょう。
ちなみに、ここでお話しする「商圏」は「住所などの個人情報をいただきにくい店舗ビジネスの商圏」ですので、宜しくお願い致します。

さて、大きな意味では、「商圏」とは、「既存顧客を含む潜在顧客がいる範囲」です。
でも、ごくまれに、100km先からやって来るお客様もいますよね。その範囲までを「商圏」とすると、あまりにも大きすぎて販促策を行う範囲が大きくなりすぎます。まあ、テレビCMをバンバン打てるなら話は別ですけどね。

ここで大切なのは、「商圏」は「販促策を効果的に打てる範囲の方が都合が良い」と言うことなのです。
「お店の健康診断」を行うのは、「自分達の現状を知り、理想や目標とのギャップを具体的に知ることにより、売上を上げるために何をすれば良いかに気づくため」です。ですので、大雑把過ぎる答えでは意味が無いのです。
「商圏」で言うと、その特定の範囲に対して対策が取れることが必要ということです。
加えて言うならば、「より狭く範囲を特定する」ことが大事なのです。

ところで、客単価の低いカジュアルな飲食業態で、お客様のご住所を伺ってそれを商圏として活用しようとすることがあります。しかし、「自宅のご住所」をアンケートなどで伺っても、それを単純に商圏範囲にするわけにはいかないのです。だって、100km先に住んでいるかも知れませんものね。もちろん、この自宅住所情報の範囲も「一種の商圏」であることには違いはありません。継続してお客様の個人情報を得ることが出来る場合は、電話やダイレクトメールを送ることが出来ます。その吸引方法がそのビジネスにとって効率化よく効果的である場合は、それでも構いません。ただ、残念ながら、客単価の低いビジネスの場合は、かかるコストと得られる利益のバランスがあまり良い方法とは言えません。

個人情報を元に商圏を分析する場合は、そのお客様と店舗の位置関係や、そのお客様の来店動機などを分析すれば、そのお客様の周辺地域へのアプローチにより新規客の獲得へ結びつく作戦が考えられます。しかし、個人情報が無い場合は、「具体的なアプローチ策が実施できる範囲」まで「商圏」を狭めるかスポットで特定する方が効果的なのです。

「具体的なアプローチ策が実施できる範囲」とは、看板・折込・手配り・ポスティング・タイアップなどが出来る範囲のことを言います。

店にお客様に来て頂くには、未経験のお客様には「そこにこんな店があること」を知って頂かなくてはなりません。
経験済のお客様には「そこにそんな店があったこと」を思いだしてもらわねばなりません。
「商圏」を特定することはその為なのです。最近は、スマホの位置情報機能を使って、一度来店されたか、あらかじめ登録されたお客様に、店の近くに来たら自動的にその店の情報を表示するような便利なアプリがあります。これらを活用する場合でも、「商圏」を特定しておくことで、より効果的に出来る様になるのです。

「商圏」を特定するには、基本的には、来店されたお客様にちょっとしたアンケートをお願いする必要があります。それには、近隣地図と近隣ポイント名のリストを用意してふたつの質問を行います。

「お客様が、この店に来られる直前に居た場所を教えて下さい。このリストの中になければ、地図上でその場所を指して下さい。」
「もうひとつ、今度は、この店を出た後、最初に行かれる場所を教えて下さい。このリストの中になければ、地図上でその場所を指して下さい。」

お客様に伺うのは、このふたつです。
あなたの店が駅前にある場合は、駅の東口改札、西口改札などと、具体的なポイントをリストに載せます。
お客様の回答が非常に多い場所がそのリストの中にある場合は、その場所に「誘導看板」や「告知看板」を設置すれば良いのです。
あなたの店が、ショッピングセンターの中にあるのならば、その施設の入口、食料品売り場などですね。単純に「駐車場」としてしまうと、告知場所が決めにくいので、駐車場から施設に入ってくる入口をお伺いしましょう。
住宅街やロードサイドにある場合は、地図を見せて、直前直後のその場所をお伺いするのです。

このように、「具体的なアプローチ策が実施できる範囲」を考えながらあなたの店の商圏を特定していけば、具体的な作戦の効果や効率はぐんと跳ね上がります。お客様に来て頂くための作戦には、予算も時間も人の数も限られています。
ぜひとも「商圏を狭く特定」して、効率よくお客様にあなたの店のことに気づき思い出してもらいましょう。

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