ああ~もったいない・・・あっさりした商品説明ですますクールなスタッフ

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2014年12月28日 09:49



「すみません、このダールと言うのはどんなカレーですか?」
「豆です・・・」

ここは、私の会社の近くにあるネパール料理の店。
この店は、ネパール人かインド人らしき男性3人と日本人の女性一人で営業しているちいさな「カレー屋さん」です。
私は、ナンが食べ放題との看板に引き込まれ、この日のランチはこの店にしたのです。

案内されたテーブルに置かれたメニューを見ると、ビーフ、チキン、マトン、野菜などのカレーが掲載されていました。
そして、どれにしようかと悩んでいた私の眼にとまったのが、「ダールカレー」と言う名前のカレーでした。
カレーには詳しくない私は、「お決まりですか~」と注文を取りに来たスタッフに、ダールってどんなカレー?と尋ねました。
彼女の返答は、クールに「豆です」・・・」とただひと言。

まあ、確かに何も間違っていません。
ダールカレーとは、インド料理の中で豆のカレーのことを指します。ダールとは、ヒンディー語で豆類の総称を指すのです。

私は、彼女のあまりのあっさりした返答に、「あ、はい」としか返事が出来ませんでした。
彼女の返事自体は、何も間違ってはいないのですが、ちょっと気分的には、「はあ~」という感じなのです。

昔から繁盛している飲食店では、店とお客様との距離を縮めて、お客様に親近感を湧かせようとします。繁盛店では、お客様に「おなじみさん」になっていただくために、ちょっとした会話を積極的に行うようにしているのです。

しかし、お客様との「会話」はそんなに簡単ではありません。スタッフ側からお客様に話しかけるチャンスってそうはたくさんあるわけではないのです。そんな時に、今回のように、お客様から話しかけられ、質問された時って大チャンスなのです。

にもかかわらず・・・「豆です」という短い、必要最小限の会話・・・実にもったいないですよね。

確かに、必要最小限の言葉で相手に正解を伝えているのですから、お客様の疑問は解消されています。しかし、そんな素っ気ない返事って、なんだかため息がつきたくなる気分になってしまいませんか。
こんなチャンスって、めったに無いのです。もう少しだけ言葉を増やしたら、そこに「親近感」を持って頂けるようになるのです。例えば、

「ダールというのは、豆のことです。インドの言葉であるヒンディー語でお豆さんのことをダールって言うんですよ。うちで使っている豆は、3種類なんですが、ひよこ豆が一番目立つかな。カレーの味は、野菜のカレーと同じくやや甘めになっています。私も好きなカレーです」

ちょっと長すぎるかも知れませんが、これくらいしゃべってくれると、カレーについてのうんちくも増えるし、なんだかついこのメニューを食べたくなりませんか?

レストランでは、お客様からメニューについて質問を受けることが良くあります。
しかし、スタッフからの説明を聞いて、思わず注文したくなる時って、そんなに多くは無いのです。
でも、先ほども言いましたが、これってもの凄いチャンスなんですよね。
このチャンスをものにすると、お客様は、あなたの店にすごく親近感を持ってくれるようになるのです。

注文受けのときだけでなく、お冷やの差し替え、空いたお皿を下げるときなどでも、お客様とちょっとした会話を加えることが出来るチャンスはあります。そんな中でも、「お客様からのメニューについてのお尋ね」は、最もハードルの低いチャンスなのです。
スタッフがこのチャンスをものにできるように、そのときの返答の仕方にひと工夫を加えてみてはいかがでしょうか?

さて、あなたの店では、スタッフは、こんな時どんな返答をしていますか?
今日のランチタイム、ちょっと観察してみて下さいね。

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