店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「伝える・・・伝達する」その2

PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)

2015年08月17日 05:59



「それって結局どっちなんですか?私にはどちらが正しいのかがよく分かりません」

若き店長が、あるスタッフに自分の考えを伝えたときの、そのスタッフの反応です。

「え?わからない?」
「だって、そう言う言い方だと、どっちとも取れるじゃないですか?」

スタッフは、ほほをふくらませながら店長に食いつきます。
若き店長がスタッフに指示したのは、ランチタイムにおけるホールスタッフの優先順位についてでした。
若き店長はスタッフに対し「基本は、Aが先だけど、状況によってはBを先にした方が良いよ」という言い方をしたのです。

そのスタッフは「状況によっては」の意味がわからなかったのです。
もちろん若き店長には、その「状況」の違いについて、自分なりの判断基準があるのです。
しかし、それはそのスタッフと同じでは無いのです。

私たちは、自分では「その言葉」についての基準を持っていても、「人によって全く基準が変わってしまうあやふやな言葉」を知らず知らずのうちによく使います。

「しっかり」「だいたい」「ほどほど」「少し」「時と場合」「状況」「たいへん」・・・上げ始めるときりがありませんね。
こんな「あやふやな言葉」は私たちの日常にたくさんあふれています。

「あやふやな言葉」をそのまま「ざっくり」と受け入れることができるタイプは、その「あやふやさ」を気には止めません。
しかし、「はっきりとさせたい」タイプは、その「あやふやさ」をとても嫌います。
それが原因で、動けなくなることさえあります。


ただ、物事には、簡単に数値化できないことも良くあります。
むしろその方が多いでしょう。
だから、ケースバイケースと言う言葉があるのです。
しかし、それを受け入れられないタイプの人もいると言うことを、店長やリーダーは理解しておかねばなりません。

だから、その上で、どちらのタイプにも受けいれられる様に表現を工夫する必要があるのです。
つまり、誰が聴いても同じ判断が出来る様に、「判断基準を明確にする」と言う事です。

1)数値化する(見える化する)
2)事例を示す
3)幅を持たせる(多面的に判断させる)
4)任せる

たとえばこのような状況です。
これを具体的な例で言うと、

1)11:30から12:00のお客様入店数が、20人を超えたら・・・
2)8月9日のランチタイムと同じ状況になったら
3)11:30の開店直後の出足が悪くても駅前や駐車場の混雑状況を見て・・・
4)いかなる判断を行っても良いし上司は文句を言わない


これくらいのことを最初から決めておくと、上司も迷いのある指示をしなくて済むでしょうね。
まあ、どっちつかずの、あやふやな指示をする上司というのは「迷い」があるのです。
「迷い」があると、上司は良い「観る」「聴く」「問い」は出来ません。

もしかしたら、「観る」「聴く」「問い」の一番のコツは、上司が腹を据えてはっきりと方向性を持つことかも知れませんね。

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