後継者を育てると言うこと
先日、ある大先輩に会ってきました。
この方は、過去30数年間で、今の私の考え方の元となる影響を、たくさん与えて下さった方です。
その時々で、この大先輩の言われたことは、未だに私の考えのベースとなっています。
なので、本人の許可は得ずに勝手に「師匠」と呼ばせてもらっています。
さて、この日は、ひとしきり懐かしい思い出話に花が咲いた後、「後継者育成」の話になりました。
師匠が、今の会社に転職した時の一番のミッションが、この「後継者育成」だったそうです。
多くの企業が、この後継者を育てると言うテーマに苦労をしています。
そのつもりで、立場を与えて来た人が思うような成果を上げていないからです。
しかし、その主な原因は、椅子を与えただけで、求める成果を上げるための環境作り、主には、その立場で成果を上げるための経験や情報を与えてこなかったことにあるようです。
もちろん、それなりの立場を与えられたら、自分で学ぶことを求められますが、なかなかそうはいかないのが世の常です。
この会社も同様に悩みを持っていました。
そこで、長期プランに立った師匠が目をつけたのが、30代半ばのマネジャークラス。
彼らを育てることが、会社に取って、この先20年の成長の礎となります。
彼らには、「立場」としての「椅子」を与えました。
それが、彼らに対するチャンスです。
そして、背後でしっかりと守ってあげた上で、チャレンジをさせました。
まだ、経験の浅い若い世代です。
細かい相談に乗りながらのチャレンジです。
しかし、それは指示ではありませんでした。
指示をすると、責任が上司に移ってしまいます。
指示ではなく、責任を持たせながらのチャレンジです。
責任のないチャレンジは、真剣味と責任感が薄れます。
そして、失敗しても、自分のケツを自分でふけるようになった時に、先輩は、その部の総責任者の椅子を、若い後継者に譲ったのです。
そうしないと、いつまでも頼ってしまいます。
まさに、背水の陣です。
そうすることで、後継者育成は完結して行くのです。
「後継者育成」を言いながら、席を譲らない、任せない、そう言う育て方をする経営者・上級職が、まだまだ多いように思います。
さすが、大尊敬する大先輩です。
大きな学びを頂きました。。
私が携わる、人材育成もそう言う、腹の据わった育成法を見習って行きたいと決意を新たにした、暑い午後でした。
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年09月04日
- 09:05
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