「相手軸思考発見」①スタンプ半分おまけしておきますね
「あと20円でスタンプもう1個押せるんですが・・・
でも、今日は、スタンプ半分おまけして、1個押しておきますね。全部、集めてくれると嬉しいです!」
あるコンビニでのことでした。
私は、お茶やらお弁当やらお菓子やらを持ってレジに行きました。
お会計は、980円。
この店では、今スタンプカードのキャンペーンをしています。
スタンプは500円で1個。
5個貯めれば、200円券がもらえます。
聞いた所によると、お店のルールでは、
「あと少しでスタンプ1個分に届くお客様には、もう1品買えばスタンプが押せることを言って、買ってもらえるようにお薦めをしなさい。500円にたった1円でも不足する場合は、スタンプを押すと追加を買ってもらえないばかりか、ある店は押してくれた、ある店では押さなかった、というクレームになるから、絶対しちゃあダメ!」
と厳しく指導されているそうです。
しかし、この店の女性店員さんは、残り20円で1スタンプのところ、
「スタンプ半分サービスしておきますね。」と言って押してくれたのでした。
本社の人にばれたら怒られるんでしょうね。
でも、私は、この女性店員さんのサービスのおかげで、この店にまた来たくなっちゃったのです。
このコンビニは、わたしの自宅から一番近いわけではない。
他の店よりも安いわけではない。
この店でしか、買えない商品をどうしても欲しいわけではない。
スタンプカード自体も、そんなに強い関心があるわけでもない。
つまりこの店でなくても良い、そんな環境・条件にもかかわらず、私は、この店を、また利用しようと想ったのです。
それは、なぜでしょうか?
店員さんの絶妙な言い方、が、私の「無関心」を「関心」に変え、さらにそれを「再利用動機」にまで高めてくれたのです。
最初私は、このスタンプカードそのものに関心はありませんでした。
コンビニのスタンプカードって、どうせすぐに期限が来るし、集めるまでは利用しないだろう、と思っていました。
しかし、彼女の「あと20円でスタンプもう1個押せるんですが・・・」という説明で、少しだけ関心が起きました。
しかし、さほど集める気がないのは変わりません。
そこに、彼女は「今日は、スタンプ半分おまけして、1個押しておきますね。」と言ってくれたのです。
私は、「ほほう~ならば、期間中に後、2~3回この店に来れば、スタンプ5個は可能だな。」
と私は思いました。
そして、仕上げに「全部、集めてくれると嬉しいです!」と言ったのです。
しかも、満面に笑みを浮かべてです。
ノックダウン!です(笑)
と言うわけで、私は、次回もこのコンビニに来よう。そう思ったのです。
お店のルールとしては、やってはいけないサービスなのかも知れません。
世間には、あと少しなのに、杓子定規にスタンプを押してくれない店がたくさんあります。
逆に、何も言わずにぽんぽんスタンプを押してくれる気前の良い店もあります。
いずれにせよ、積極的な再来店動機には繋がりません。
しかし、この店の彼女のような方法でスタンプを半分おまけしてくれたらどうでしょうか?
私は、まんまと彼女の術中にはまったのです。
こう言う販売促進策は、たいていは、本部や本社で考えます。
その時に、こう言う心理的な仕掛けよりも、管理的なルールの方を優先的に決めることが多いのです。
これは、本気でお客様の立場に立った発想ではありません。
お客様が、どうされると心が動くのか?
現場の意見をもっと聞いて、もっとお客様の気持ちになって考えれば、、より効果的な作戦が生まれてくるでしょうね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年11月29日
- 07:44
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