「相手軸な話」②素直になれば何でも出来る
「うわあ~すごいね!どういう風にやったの教えて~」
キッチンからホールを見ていた店長は、彼女を見てビックリしました。
え?この子、褒める事が出来るんだ・・・
今まで人のこと褒めたりしたことなんて1回もなかったのに・・・
しかも、後輩に、教えて~だって?そんなこと言える子だったんだ!
彼女は、この店の中堅スタッフ。
キャリアはあるけれど、今ひとつ伸び悩んでいます。
作業はテキパキと出来るけれど、気の利いた接客が出来ない。
だから、お客様にフェア商品をお勧めしたりするのはとても苦手。
今まで上手く出来た例しがない。
接客に自信が無いから、褒めて教えることが出来ない。
要領とスピードばかりに目が行って、イライラガミガミの教え方。
店長は、チョット困っていたのです。
さて、この店では、お正月用のおせち料理も扱っています。
店舗では、去年よりも2割増しの販売目標を上げて、
スタッフ一丸となってお客様へのお勧めに取り組んでいました。
彼女は、毎年この時期が嫌で嫌で仕方がありません。
1個2万円もするおせち料理なんて、そう簡単に売れるわけがない。
それに、こんな小さなレストランのおせち料理よりもデパートに行って有名店のおせち料理を買うよね。
ああ~何回も断られるのイヤだなあ~と、いつもぼやいていました。
でも、彼女の本心は実は違っていました。
本当は、自分も売りたい。
売って店舗が良い成績を上げると嬉しい。
店長も喜んでくれるだろうなあ~
私店長大好きだし、喜んで欲しいんだけれど・・・
私では役に立てないな・・・
今日もそんなチョット暗い気持ちで、仕事をしていたのでした。
ところが、2ヶ月前に採用されたばかりの新人スタッフが、客席でおせち料理の予約を獲得したのです。
それも、お客様からのお申し出ではなく、新人スタッフのお勧めによってです。
この新人を教えたのは自分。
でも、ホール作業は教えたけれど、、おせち料理のお勧めは教えていない。
だって、私、見本が示せないし・・・
なのに、この新人は、どこで覚えたのか、上手にお薦めをして、しかも売れた!
ええええ~なんで~~~
彼女は、驚愕しました。
そして、思わず口から出た言葉が、「うわあ~すごいね!どういう風にやったの教えて~」
自分が教えていないことを新人がいきなりやってのけた。
よくあるのは、ここで先輩は嫉妬や妬みややっかみから、後輩をいじめたりします。
しかし、彼女はとても素直でした。
本当は、、おせち販売に貢献したかったのです。
だから、後輩であっても、ちゃんと褒めてその秘訣を教えてもらおうと思ったのです。
後輩に出来るんだから、私もやらなくちゃ!
彼女は、勇気とやる気を振り絞って、後輩に販売方法を聞き、自分で試しました。
人は、誰でも本当はやる気を持っています。
貢献したい気持ちも持っています。
しかし、何か小さな障害、小さな邪魔があって、一歩前に踏み出せないのです。
彼女が一歩前に踏み出せたのは、教えられた通りに素直に接客している後輩の真摯な姿でした。
やろう!と思っている人には、そんなチョットしたキッカケだけで十分です。
店長は、その様子をよく見ておくことです。
やる気がないのではありません。
ほんのチョットの勇気とキッカケが欲しいだけです。
誰もが、素直な気持ちを持っています。
その素直な気持ちを引き出す方法は簡単です。
ポンッと背中を押してあげれば、今までと違った新しい部下の姿が現れることでしょう。
ポンッ!だけで良いのです。
ちなみに、その後彼女は、その店舗で一番の客席でのおせち料理予約ナンバーワンになりました。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2012年12月21日
- 06:00
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