「相手軸な話」⑮野球場でビールを1試合に10万円売る
1杯700円のビール。2~3時間の試合中に150杯売る。
売り子さんへの給料は、球場によって違うようです。1杯40円から50円の球場もあれば、売上高の10%と言う球場もあります。
私の友人は、ある年に9試合で10万円の給料を稼いだそうです。
準備も含めて、3~4時間のバイトです。9試合で36時間。時給が何と2777円!
もちろん、こんなスーパー売り子さんは極めてまれなのですが、それにしても凄い人がいるものです。
今日は、この売り子さんから聞いた「もの凄い売り方9つの作戦」についてお話ししましょう。
それはある暑い夏の試合でのビール売りのバイトでした。
戦略家の彼女は、試合開始前の1杯目については、わざと売りません。無視します。
で、誰がビールを買うのかを担当エリアの中でじっくり観察するのです。(作戦1)
そして、他の売り子から買ったお客さんに向かってちょっと残念そうな顔をするのです。
買わなかった(他の売り子から買った)お客様の記憶に残すのです。(作戦2)
さて、試合が始まって、しばらくすると最初の方は飲み方のペースが速いので、すぐに2杯目が欲しくなります。
そのタイミングを見計らって、飲み終わったお客様に近づきます。
そしてこう言うのです。
「ああ~ん、さっきは私から買ってくれなかった~もう~」(作戦3)
こんな風に言われると、男はいきなりメロメロです。
「わかったわかった、今日はずっと君から買うよ!」
と、2杯目以降ずっと買ってくれるお客様をゲットするのです。
この戦略的売り子は、更に作戦を進めます。
売上を上げるには、常連客の確保だけでは無く、更に新規客を獲得しなくてはなりません。
売り子の基本は、スタンドの一番下、グラウンドから近い方から最上階に向かって上がって行きながら、お客様の顔を見て、お薦めをします。だから、お客様との目線合わせがポイントになります。「ビールは如何ですか~」と言っているだけでは美味しそうなビールには感じられません。
彼女は、目線合わせで、新規客を獲得すると、その客が一口目を口に付けた後でこう言います。
「丁度新しいタンクに入れ替えて来た所なんです。新鮮で冷たくて美味しいでしょ?いかがですか?」
笑顔でこう言われると、レストランで「お味は如何ですか?」と聞かれるとのと同じです。(作戦4)
「うまいねえええ~」と答えないわけ無いのです。
この会話は、新規客の後ろ側の一帯に聞こえるように行います。(作戦5)
このタイミングでの宣伝効果は、抜群です。その後次々と、後ろの客が、注文をしてくるのです。
つまり、リアルなタイミングのお客様の高評価を引き出して、自分も同じ物をすぐに味わいたい!と言う気分にさせるのです。
彼女の見事に「相手軸に立った」作戦は、まだまだ続きます!
それはまた明日!!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年02月08日
- 05:55
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