「店長キラキラ化大作戦」⑲相手が答える前に答えを言ってはダメ
「さて、お店の雰囲気もかなりよくなってきたわね。じゃあ、今度は新人さんに対してきちんとした受け入れ体制を作らないといけないわね。店長は、きちんとした受け入れ体制を作るって、どう言うことをするんだと思う?」
この店舗の問題点は、スタッフ不足。新任のマネジャーは、それを解消するために、すぐにリクルート広告は打たずに、まずは店長のリーダーシップ力の向上と、店舗の雰囲気作りから手を入れ始めました。そして3ヶ月。ようやく店長が成長し始め、スタッフが活き活きと働くようになったのを見て、今度は「受け入れ体制」をきちんとしていこうとマネジャーは言ったのでした。
店長は「え?こんなに雰囲気が良いんだからもう大丈夫じゃあないの?」と思いながら答えました。
「マネジャー、もう大丈夫なんじゃあないんですか?新人を採用してもバッチリですよ!」
「もちろん、イイ感じになってきたわよ。もう新人を採用しても、前みたいに3日で辞めるって事は無くなるわね。でも、今のままじゃあ持って1ヶ月ね。3ヶ月は持たないわ・・・」
「え?そうなんですか?何が足りないんだろう?マネジャー教えて下さい!」
「それは、まずは自分で考えてみて」
マネジャーは、それから2分以上沈黙を守りました。
すぐに答えを言ってくれると思っていた店長は、1分くらい過ぎてもマネジャーが何も言わずに黙っているので、今度はまじめに考え始めました。以前のマネジャーは、質問をしても、店長が詰まったり、教えて下さいと言うと、すぐに答えを言っていたのです。その為店長は自然とマネジャーの答えを待つ癖が付いていました。それは、店頭自身がアルバイトスタッフに質問をした時も同様でした。部下に対して上司と同じ行動をしてしまっていたのです。
相手の考えを聞くことは聞くのです。しかし、そこから1分も我慢できない。相手が考えているかどうかは関係なく、すぐにイライラして、自分の答えを言ってしまうのです。(こんな上司、たくさんいますよね~)
これは、「相手の中に答えがある」とはまったく思っていないと言うことです。本気で部下を育てようと思っているのならば、たとえ間違っていても、部下が自分の答えを頭から絞りだすのをとことん待たねばなりません。待てないのは、部下を育てるよりも、自分の時間が惜しいと思っているからです。部下の中には答えはない、と考えているからです。こういう上司は部下を育てることは出来ません。
マネジャーは待ちました。店長が、答えを絞り出すまでじっと待ったのです。
なので、店長も、沈黙が1分を過ぎたときから、これは自分が何か言うまでマネジャーは口を開かないぞ・・・と感じたのです。
成長には「自分で考える」というプロセスが必須です。上司の指示をこなすだけでは、自立は出来ないのです。自立無くして成長はありません。何も、難しい数学の問題を解けと言っているのではありません。たとえ間違っていても、何かしらの意見は言えるはずです。上司はそれを待たねばなりません。2分待って、相手がまだ混乱していたら、質問の仕方を変えてみるのです。考えていなさそうだったら、根比べです。タイムリミットまで待つしかありません。
「相手の考えを引き出す」「考えさせる」・・・・これは、部下を育てる最も効果的、かつ必ず必要な要素です。まずは、根比べからやってみましょう。
さて、質問をしてから2分が経ちました。店長が口を開きました。
「採用されて、初日を迎えたときに、私たちが『大歓迎』していると言う気持ちを新人さんに伝えること・・・かな?」
次回に続く。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年05月20日
- 06:14
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