「従業員満足度調査」で全てがわかるわけではありません
「うちは、この間『従業員満足度調査』を実施して、色々なことがわかったからやって良かったよ~。これからはその調査でわかった問題点をひとつひとつ改善していきたいですね。」
と、あるチェーン店の社長がおっしゃいました。
素晴らしい決意です。このように、「従業員満足度調査」をして、その結果を基に、発見出来た問題点をすばやく改善していくことで、パート・アルバイトの店長や会社に対する信頼度は、ぐぐ~ん!と向上します。
しかし・・・・この「従業員満足度調査」から見えてきたことだけで、全てが見えたと思っていてはいけないのです。こういう調査・リサーチで判明する事って、ほんの表面的なことに過ぎません。一般的な「従業員満足度調査」で行う質問は、多くても20問程度です。この程度の質問数では、あくまでも全体的な傾向を探るのが基本となります。
では、アンケートってあんまり意味が無いのでしょうか?いいえ、大きな意味があります。たくさんの回答者から、たくさんの回答を頂いて、それを統計的に分析することは非常に大切なのです。それにより会社としての施策の効果やパート・アルバイトへのビジョンの浸透具合などを読み取ることが出来ます。また、全社的な満足や不満の傾向、さらに働く目的や期待感なども見てきます。これは、ひとりひとりに聴くよりも偏りの無い意見として知ることが出来るのです。
ただ・・・残念ながら、それよりも深い根っこの部分、つまり「なぜそうなのか?」「どうすればよくなるのか?」「その不満の度合いはどれくらいのものなのか?」などについては、アンケートでは正直に、また正確に書きづらいものなのです。あなたも、何かしらのアンケートに答えた時、そうでは無かったでしょうか?
ですので、真剣にパート・アルバイトの仕事に対する満足度を向上させようと考え取り組んでいる企業は、かならず「個人面談やグループインタビュー」を同時に行っています。ひとりひとりにインタビューしたり、グループで本音を掘り起こしたりするのです。そうすることで、「従業員満足度調査」による定量的なデータと、面談やインタビューによる定性的なデータの両方を分析し、より本音に近い問題点や期待点を知り、それに対する対策を立てていくのです。ただし、少ない意見は偏ってしまう危険性を秘めています。
量をたくさん採って、統計的に見ることによりデータの偏りを防ぐことが出来ます。ただし、これは「広いが浅い」。逆に、少なくても深く深く掘り下げた意見を聴くことで、本音を知り、本質的なポイントを押さえることが出来ます。ただし、これは「深いが狭い」・・・・・だから、この両方を実施して、偏ったり浅すぎたりするのを防ぐのです。
世の中で、成功している企業の多くはメーカーであれ、サービス業であれ、外食であれ、この両方の調査を行い、戦略を立てています。世界的な消費財メーカーである「プロクター・アンド・ギャンブル社」では社長自らお客様インタビューを行っています。
お客様もパート・アルバイトも、同じ「ひと」です。ひとは「十人十色」。特にパート・アルバイトは人数が少ないので、バランスが崩れて偏ってしまうとチームが成り立ちません。くどいようですが、だから定量的な「アンケート」と定性的な「インタビュー」を両方行って「広く」観て、そして「深く」知ることが大切なのです。
「相手軸!相手軸!」
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年10月13日
- 09:31
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