新人店長は「通訳」を育てよう
「さっき、店長があなたに指摘したことって、あなたはどういう風に理解してる?言ってごらん。」
あるレストランのアルバイトリーダーが、新人スタッフに対してこう質問しました。このリーダーは、新人スタッフが店長から指摘されたことに対して、まだキチンと腑に落ちていないと言うことを感じ取ったのです。
「え?どうしてですか?」と新人スタッフ。
「だって、意味がわからない~って表情をしたように見えたから(笑)」とリーダー。
新人スタッフは、見抜かれちゃったな~と言う表情で、リーダーに本音を話し始めました。それを最後まで聴いていたリーダーは、店長が新人スタッフにした指摘の意味や目的を解説し始めました。
「え?店長がおっしゃっていたのは、そう言う意味だったんですか・・・私誤解していました。と言うか、全然意味がわからなかったんです・・・」
店長に限らず上司という立場は、部下に対して自分の考えを伝える機会があります。しかし、伝える側は店長一人でも、聴く側の部下はたくさんいます。そのため店長はついつい全員に同じように伝えてしまうことが多いのです。ひとりひとり理解の仕方は違うと言う原則は知っていても、いや、それを意識して目の前のひとりに伝えたつもりでも、そうは相手の気持ちや理解度を100%踏まえた伝え方は出来ないものなのです。
私が関わった多くの素晴らしい上司の皆さんも同じでした。相手に合わせた伝え方を心がけている方ばかりでしたが、それでもほとんどの方が、部下に真意を伝えられずに、部下を混乱させてしまっているシーンを何度も見ました。もちろん、私も同じです。相当たくさんの部下を悩ませたことでしょう。(全員かな?)
先日もブログでコミュニケーションの難しさを書きましたが、意図通りに伝えることは、本当に難しいものなのです。では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか?
その答えが、冒頭から登場しているアルバイトリーダーの様な存在なのです。実はこのリーダーは、店長から、このように「店長とスタッフの間を埋めるフォローアップの仕事」を依頼されていたのでした。日頃から、店長とスタッフとのコミュニケーションにギャップがあると気づいていたリーダーは、その役目を喜んで引き受けました。
もちろん、店長が100%真意を伝えられるというのが理想です。しかし、それは非常に難しい。だって、上司が部下に「わかったか?」って聴くと、多くの部下は、わからなくても「はい、わかりました」と答えてしまいます。部下の本音を上手く引き出せると思っている上司でも、ほとんどは「部下の上司への気づかい」にだまされています。部下が気を遣ってわかったふりをしてくれているのです。
店長の皆さん。自分のコミュニケーション力を過信するのは危険です。私の知る限りほぼ全ての上司が部下を誤解させています。だから、一日も早く、自分の「通訳」を育てましょう。そして、そのギャップを影で埋めてもらいましょう。あなたのコミュニケーション力を伸ばすよりも10倍効果的ですよ!
まあ、その通訳とのコミュニケーションもギャップが生まれちゃうんですけどね~(笑)
そこは、日頃の努力でカバーしていきましょう!!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2013年11月29日
- 10:08
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