「あれ？なんかまだモヤッとしたものが残っているようね・・・う～ん、この後本社に呼ばれているんだけど・・・ええい遅刻してもイイや、まずは、スタッフのモヤモヤを解決しよう！」
この日、この店長は、ランチタイム後に行った店舗ミーティングが終わると、本社でエリアマネジャーと面談の予定でした。しかし、ミーティングの最後にスタッフひとりひとりの表情を見てみると、ひとり、どうも腑に落ちていなさそうな表情に感じるスタッフがいたのです。彼女は、このスタッフをそのままにして時間切れを理由にして店舗を後にすることはどうしても出来ませんでした。そこで、エリアマネジャーに遅刻すると電話で伝えた後、彼女は気になるスタッフに声をかけました。
「どうしたの？さっきのキャンペーンの話で、納得出来ないことがあったの？」
「はい、、、、私、あのやり方ではだめだと思うんです。でも、ミーティングでみんな盛り上がっていたんで、あの場でそれを言うとしらけると思って言えなかったんです。」
「そうなのか～。ありがとう｡じゃあ、あなたの意見を聴かせて。」
そう言って、彼女は、顔を曇らせていたスタッフの話を聴きました。彼女はスタッフの話を聴くことで、このスタッフにも自分の意見があり、さらに、みんなで決めた意見も大反対というわけではないと言うことがわかってきました。彼女の判断は、このスタッフの意見も取り入れると言うことでした。そして、その意見は、翌日の朝礼での店長からの提案という形で、スタッフに伝えられました。
店長に話を聴いてもらえただけでなく、ちゃんとその意見を取り入れてもらったスタッフは、最初にみんなで決めた方法にも積極的に取り組みました。もちろん、自分が提案したアイデアにも、積極的に取り組みました。そして、この店のキャンペーンの結果は、エリアトップ。いつもおとなしくて、過去のキャンペーンの時も目立った個人成績を残していなかったこのスタッフが、見違えるように張り切ったせいで、他のスタッフも触発され、毎日大いに盛り上がったのがトップになった一番の要因だったようです。
店長と言う仕事はとても忙しいと思います。でも、目の前の「モヤっ」としたもの、「あれ？」と思ったこと、「う～ん、どうも引っかかるな」と感じたことを時間切れで放置したり、後回しにしたり、棚上げしてはいけないのです。だれでも同じように「時間切れ」で、「一旦保留」にすることってよくあるともいます。でも、私は、あなたには、あなたが感じたその違和感を解決する方を先に選んで欲しいと思うのです。それが、一番良い結果を生むと言う経験をしているからです。
ちなみに、私は、昔々、店で直面した違和感を解決するために、本社の社長出席会議をすっぽかし部長にしこたま怒られたことがあります。しかし、会議よりも、店とスタッフを選んだことで、その違和感は大きな問題に発展することなく解決することが出来ました。その時、本社に向かっていたらきっと大きな問題になっていたことでしょう。
あなたも、目の前の「モヤっ」としたもの、「あれ？」と思ったこと、「う～ん、どうも引っかかるな」と感じたことを時間切れで放置したり、後回しにしたり、棚上げなどはしないで、その場でしっかりと解決すると言うポリシーを持ってほしいのです。そのポリシーは、きっとあなたをもっと大きな問題から守ってくれますよ。
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