新人店長は「自分勝手な大人目線」を見直そう
「長い間、お世話になりました。この店で学んだこと、店長から教えていただいたことを大切にして明日から社会人としてがんばります!ありがとうございました。」
3月31日。この店では、この春に大学を卒業し社会に出るアルバイト達の送別会が行われていました。
冒頭の感謝の言葉を言ったのは、その中のひとり、A君。彼は、大学1年生の春頃からこの店でアルバイトをし始めました。しかし、数ヶ月がたち夏を向かえた頃、採用時のまだ高校生っぽいうぶな感じから、急激にチャラチャラした最近の若い子特有の言葉使いや髪型、服装、態度に変化していました。大学に入ったことで付き合う友人達が変わり、彼らに感化されていたのでしょう。
このままではいけないと感じた店長は、彼にビシッと伝えました。
「仕事を続けるのならば、まずその髪の毛切ってきて。それから爪には何も塗らないで。食品を扱う上での基本は守って頂戴。あなたの仕事の相手は、お客様なのよ。あなたの給料はお客様から頂いているのよ。」
最初はふくれっ面をしていた彼でしたが、それでも翌日には、髪を短くし、爪には何も付けずに店に現れました。
「あら、この子、チャラチャラした子に変わったのかと思ったけれど、割と根っこはキチンとしているのね・・・」
店長は、髪型や爪などの基本的なルールを守れないならば、アルバイトを辞めても仕方が無いかなとは思っていましたが、ビシッと言われたことを素直に従ってきた彼の態度に驚きました。
「最近の若い子は、言うことを聴かないとか、何を考えているのかわからないとか、態度が悪いとか、礼儀知らずとか、マナーがわかっていないとか、色々言われるけれど、私に言わせれば、若い子の方は今の大人よりもよっぽどちゃんとしていますよ。大人の方がだらしないし、モラルが低いですよ。電車の中や、エレベーターやバスなんかでも、若いこの方がよっぽどちゃんとしているわ。」
店長は、A君の変化に対して最初にビシッと言いました。そして、それに素直に反応したA君に「見込み有り」と判断し、その後、彼を将来のアルバイトリーダーに育てるべく、厳しく鍛えていきました。その結果、A君は、1年後にトレーニングリーダーとなり、さらに1年後、3年生の春には、この店のアルバイトリーダーとなり、店長を支える副店長格にまで成長したのです。
「大学1年生の夏のこと、いまもよく覚えています。大学の友人との付き合いを重視して生活さえも乱れ始めていた僕の目を覚まして下さり、大学卒業後のことを見据えて4年間鍛えて下さったお陰で、この4年間寄り道をすることも無く、目指していた会社にも就職出来ました。あの時、店長の指導がなかったら、4年後の僕は、全然違ったことになっていたかも知れません。本当に、ありがとうございました。」
「何言ってんのよ!私が楽をしたかったらあなたをこき使っただけよ。でも、この4年間、本当に良くがんばってくれたわね。お陰で、お客様も増えたし、スタッフもずいぶん育ったわ。A君のお陰よ。ありがとう。心から感謝しているわ。」
店長は少し赤い眼をしながら、しっかりとした大人に成長した若いリーダーを誇らしげに見つめていました。
店長は、彼との関わりの中で、たくさんのことを学んだと言います。
若い子達も本当はちゃんとしたいと思っている。
彼らも彼らなりに色々とまじめに考えている。
大人が勝手にこいつらはダメと決めつけているだけ。
さて、若い子のことがわからないと悩んでいるあなた。
一度、この店長のようにビシッと言ってみては如何ですか?
もしかしたら、何かに気がつくかも知れませんよ。
だって、わからない・・・・と思っているのはあなたの思い込みなのです。
ビシッと言う勇気を持てば、きっとそれが、あなたの「自分勝手な大人目線」を変えることになりますよ。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月04日
- 09:49
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