店長のための「言える化」推進計画(その1)
「私は、もっとスタッフが自分の意見を自由に言えるような雰囲気のある店を作りたいんです。」
と、店長は、自分の想いを話してくれました。
この店長が切り盛りする店は、ベテラン店長から引き継いだ大型店です。でも、最近は競合店の出店が相次ぎ、売上は急速に低下。このままでは撤退も視野に入れなくてはなりません。そんな中で、沈んだスタッフの雰囲気を盛り上げようと、「もっと活発な意見交換が出来る店にしたい」と考えている店長なのですが、なかなかそうは上手くは行きません。彼は店長ですので、自分のしたいようにできるはずなのですが、どうも何かの障害にぶつかっている様子でした。
私「どうしたんですか?店長がそう思うのでしたら、そうすれば良いじゃあないですか?」
店長「そうしたいのはやまやまです。なので、いつも『言いたいことは言ってくれ』とは言っているんですが、誰もなかなか言ってくれないんです。彼らが言わないのは、意見や不満が無いからでは無いとは思っているんですが・・・・」
スタッフが、ミーティングや普段の会話で、店長に意見や不満を言わないのは、それがないからではありません。あっても「言えない」から言わないのです。店長にはそれが何となくわかっていたようでした。
私はさっそく、「店長が望む『言える化』実現を阻止している障害」を探すために、この店の一日を観察することにしました。
まずは、早朝の開店準備からスタートです。店内には、店長の元気な挨拶に反応するスタッフ達。なかなかイイ雰囲気です。この時間には「障害」はなさそうな雰囲気でした。そして、オープン30分前。いつものように朝礼が始まりました。進行をするのは、この店のベテランスタッフリーダーのAさん。
「みなさん、おはようございます!では、昨日の売上報告です。目標対比83%。全然ダメね。このままじゃあまずいです!もっと危機感を持って下さい。昨日の様なドタバタでは、お客様はもう来て下さいません。クレームを受けたBさんは、もっと反省して欲しいんです。あなたは、いつも同じことばかり言われています・・・・」
スタッフリーダーのAさんの話は、開店5分前まで続きました。そして、最後に店長の「では、今日も、宜しくお願い致します。開店です。」と言う合図で店は開きました。
あなたも、もうお気づきでしょう。店長が推進したいと考えている「言える化」を阻止しているのは、表面的には、このAさんの言動と行動のであることは一目瞭然ですよね。しかし、私は、本当の問題は、もっと深い所にあると感じたのです。
私「Aさんの、朝礼についてはどの様にお考えですか?」
店長「言ってくれていることは正しいんです。売上や昨日の状況も言わなくてはなりません。でも、怒った感じでハッパを掛けるので、みんな緊張してしまうんです。普段の指示でも威圧感が強いんです。」
私「それを感じているのならば、Aさんの朝礼進行方法や指示方法について、何かアドバイスをされたのですか?」
店長「いえ・・・それが、そう言う口調ではダメです、とは言っているのですが、なかなか改善してくれないんです。」
問題の最初のポイントはここでした。
店長は、「言える化」を推進したいと思っている。しかし、リーダーの言動はそれを阻害している。叱ってばかりなのでスタッフが萎縮しているのです。さらに、その「リーダーの言動に問題有り」と気がついている店長が、それを是正することが出来ていない。これでは、店長の思いは前進しませんよね。
さて、では、このスタッフリーダーの言動、朝礼での進行方法をより良い方法にアップグレードしてもらうには、どうすれば良いのでしょうか?
それは、リーダーのAさんが、何故今のやり方をしているのかについて、その心理を探るところから入らねばなりません。それは・・・
・・・明日に続く。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年04月19日
- 09:29
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