店長のための「言える化」推進計画(その14)
「Aリーダーの話されていることは、早口すぎて何が何だか良くわかりません。もっとゆっくりと話して下さいませんか?」
ある午後のミーティングで、スタッフのひとりが、早口で話すスタッフリーダーAさんに対してこう言ったのです。一瞬ミーティングの空気は凍りついたようにシーンとしましたが、気を取り直したAさんは、
「ごめん、もう一回ゆっくり言うね。わかりにくいところがあったらまた教えて下さい。」
と、以前とはまったく違った反応をしたのです。
彼女は、360度評価を受けてからと言うもの、毎日毎日悩み苦しみ、自分のリーダーシップをどの様に成長させようかと、試行錯誤していました。ミーティングもそのひとつです。自分の考えや想いを伝えることに、自信を無くしていた彼女は、自分の何が問題なのかが良くわからなかったのです。
しかし、彼女の部下であるスタッフ達は、彼女が「本当は必死で店のことを考えている」ことをよく知っています。そして、360度評価でAさんに厳しい評価を付けた自分もまた、Aさんの成長に対して責任があることを自覚していたのでした。360度評価は「批判するための仕組み」ではありません。被評価者により素晴らしいリーダーに成長してもらうために、自分と部下とのギャップに気がついてもらう仕組みです。そして、気づかせた部下にも「評価した責任」があるのです。そのことを理解していたそのスタッフは、少し緊張しながらもAさんのために「早口でわかりにくい」と伝えたのです。
もちろん、どうすれば良いのかに悩んでいたAさんにとって、この指摘は「宝物」でした。彼女は、心から感謝して、そのスタッフからの言葉を受け止めたのです。
360度評価や従業員満足度調査では、この組織、チームの幹部クラスに対する厳しい評価結果が突きつけられます。しかし、これは決して「批判」「非難」ではないのです。この評価は「期待」なのです。部下達から観られている、そして部下達から期待されていることがわかった幹部は、この「期待」に答えなくてはならないのです。この「期待」に答えてこそ、チームの士気が上がり、パフォーマンスが上がり、その結果その気持ちがお客様に通じて、お客様の再来店に繋がり、業績の向上に繋がるのです。
リーダーによって、そのチームのパフォーマンスは決まってきます。
リーダーによって、そのチームの従業員満足度が違ってくるからです。
しかし、実はそのリーダーを育てるのは、その上司だけではありません。部下もまた、リーダーを育てるのです。お客様が、店を、企業を育てるのと同じです。お客様から支持されなくなった、店や企業はこの世から消えていきます。お客様を満足させることが出来たところだけが生き残るのです。リーダー、店長、社長もまた同じです。部下やスタッフ、従業員や社員が仕事に満足できなければ、リーダーとして生き残ることは出来ないのです。
店や企業の存続を決めるのはお客様です。リーダーのイスを与えるのも奪うのも、部下、スタッフ、従業員、社員なのです。そして、その部下にも大きな責任があります。自分が安心して満足して働ける環境を作るのは、なにもリーダーだけの役目ではないのです。自分もまたそのチームの一員として「自分達が満足して働ける環境を作る責任」を果たさなくてはならないのです。
全てのスタッフが「自分の責任」を自覚して実行すれば、店や企業は必ず成長します。だって、みんな満足しているんですからね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年05月02日
- 06:26
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