「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その11
第2章 「売上」はこう考えるとわかりやすい・・・・「売上」の理屈と中身を知ると何が必要かが見えてくる
④「潜在顧客は商圏にいる」・・・「商圏」の意味と目的を理解しよう
「M部長、質問して良いですか?『潜在顧客』って、店の周りにいる人達のことですか?」
研修に参加していたN店長が、手を挙げて質問しました。
「その通りです。しかし、全員ではありません。店の周りにいるひとのうち、『店を利用する可能性があるひと』が潜在顧客です。では次は、その『潜在顧客』って、いったい何人いるのか?について考えてみましょう。」
M部長は、N店長の質問を受けて、潜在顧客、つまりポテンシャルの基準となる「お客様になり得る人達」について話し始めました。
「それでは店長の皆さんに質問です。『潜在顧客』は『商圏』にいます。では、みなさんの店の『商圏』って、どれくらいの範囲なんでしょうか?」
M部長の問いかけを受けて、店長が答えました。「うちの店はだいたい2kmくらいですね。」
「ほお~、それは何故ですか?」
「はい、入れ間違いなどのクレームでお届けすることがあるのですが・・・それが遠くて2kmくらいなんです。い、いえ、そんなにクレームがあるわけではないんですが・・・」
と、お持ち帰りの商品を扱っている店の店長が、自分で言っておきながら少しバツが悪そうに答えました。
「お~なるほど、それはリアルな商圏ですね。他の店長は如何でしょうか?」
今度はN店長が答えました。
「私の店は、若い女性客が多いんです。この人達は、恐らく店の周辺にある事業所の方々ですので、うちの店の商圏は、500mくらいでしょうね。」
「なるほどね。来店されている客層から、そのひと達の繰られる範囲を推定しているんですね。なかなか良い視点です。他の店は如何でしょうか?」
今度は、都心のデパートにテナントとして入っているレストランの店長が答えました。
「私の店のお客様は、かなり遠くからも来られています。都心からJRに乗って30分以上かかるところ。たぶん30kmは離れていますね。なので、商圏は30kmはあると思うんです。」
「おお~それは広い商圏ですね。さすがは都心の店は違いますね。」
商圏を設定するには「定義」が必要
「ありがとうございます。みなさんの商圏に対する考え方は良くわかりました。では、今回のプロジェクトで扱う『商圏』とは、どういう範囲を指すのかについて、お伝えしますね。但し、今からお伝えする定義は、あくまでも、私たちの店に対して私が考えている定義です。業種、業態、商品、価格、ブランド、お客様の来店パターンなどによって、その定義は変わります。店によって『商圏』は違います。そこは注意して下さいね。」と言って、ホワイトボードに「商圏の定義」を書き出しました。
<商圏の定義>来店されたお客様が、来店される直前に居た場所を地図上にプロットして、その点が、店より近い方から順に数えて、総数の80%に達した範囲の外周。これが商圏の範囲。
<「直前に居た場所」の定義>駅、商業施設、公共施設、会社、学校、自宅などのうち、店に最も近い場所。例えば、自宅から会社に行って帰りにデパートによってから来店された場合は、「デパート」が直前の場所、と言うことです。
<直前を商圏とする目的>お客様に店の存在や店がやっている販促告知を行う範囲出来るだけ狭く設定したいから。これは、具体的且つ狭い方が効率が良いからです。
この「商圏」の考え方は、お客様の住所情報を把握しているような「目的来店客」の割合が強い店の場合は、少し当てはまりにくいようです。そう言う店の場合は、ご自宅の住所の範囲が「商圏」なってしまうので、「目的来店商圏」を「地図上で設定すること」はあまり意味が無いことになります。この会社の各店舗は、住所情報を持たない、比較的客単価の低い(1000~1500円程度まで)タイプです。その為、お客様の半数以上は「機会来店客」なのです。
さて、以上が「商圏」の考え方です。
しかし、この「商圏」だけでは、まだ「ポテンシャル」はわかりません。
明日は、そこをもう少しだけ掘り下げてみましょう。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年06月19日
- 07:35
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