「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その63
第8章 番外編
③商圏は広げることが出来る・・・・ポテンシャルを増やすのも戦略です
「この店の壁のところに誘導看板を設置したいんです。」
私が、店長をしていたときのことです。
その店は、大阪難波の戎橋筋にある店でした。目の前には、毎日何万人という通行者が通り、大阪で一番にぎわいのある商店街でした。
着任後3ヶ月でスタッフ不足を解消した私たちの店は、そのお陰で売上げも徐々に上昇していきました。しかし、あるところから急に伸びが止まったのです。スタッフは充分にシフトしましたし、優秀な彼らはお客様を長く待たせることなく、非常に速いスピードで対応してくれていました。その為、以前のようなレジ前の行列もほとんど出来ない状態を実現していました。つまり、行列待ちが嫌なお客様を逃がしてしまうと言うようなことは無かったのです。
しかし、店頭にはもの凄い数の人通りがあります。当然のことながら、私の次の策は、人通りからのキャッチ率の向上です。まず行ったのは、店頭の柱へ大型ポスター(懸垂幕と言われるもの)を貼り付け、キャンペーン商品の告知を目立たせました。
さらに、店頭での呼び込みを強化。そのうちに、プラカードを作成して店頭に立ったりと、とにかく目立つように工夫をしました。その効果もあって、売上げはもう一段上げることが出来たのですが、数ヶ月たつと、再びその売上げは頭打ちになってしまったのです。
私は、「これは店の前の人通りからのキャッチが、飽和状態に達しているんじゃあないのか」と考えました。
つまり、店舗前のポテンシャルと店舗の吸引力には、一定のバランスや境界線があるのかも知れないのです。もしそれが正しいのならば、このままでは売上げは増えません。なので私は、店舗前以外からのお客様の吸引が必要と判断しました。それにより売上げが上昇するのならば、店舗のQSCの問題ではなくポテンシャルと間口などのハード面の吸引力の問題だと言うことが証明できるのです。スタッフ達の接客スピードなどの努力を活かすには、ポテンシャルと増やすことが一番だと考えたのです。
そこで、店舗周辺を見渡してみると、店の近くには、店のある戎橋商店街と並行して、御堂筋があります。人通りこそ戎橋商店街ほどではありませんが、それでもたくさんの人が歩いています。
私は、この御堂筋を歩いている人達に自分の店に来てもらおうと考えたのです。目の前の戎橋筋だけではなく、割と近いところにある御堂筋も自分のところの商圏に取り込めば、売上げはさらに伸びると考えたのです。
ただ、当時は、クーポン券などはまだありませんでしたし、大阪ミナミ特有の事情があって、御堂筋でプラカードを持って立ったり、チラシを配ったりは出来ません。そこで、御堂筋沿いのビルの壁面に看板を設置したら良いのではと考えたのです。
もちろん、そこは大阪ミナミの繁華街。看板設置にかかる費用は本格的なものだとかなり高額になります。
私は、最初から理想をあきらめてしまうのは悔しいので、当たって砕けろという気持ちで、部長に看板設置を提案したのですが・・・残念ながら、あっさり砕けました。
「そんなにお金をかけなくても、まだ売上げは伸ばせるはずだ」と部長はいうのです。
この時点で、私がこの店に着任してから、売上げ前年比は150%にも伸びていたにもかかわらずです。上司ってどこまでも、欲張りな人種なんですよね。とても悔しかったのですが、私には仮説はあっても、証明するデータがありません。証明するためには、
1)御堂筋側での自店舗の認知度の状況
2)簡易の看板を設置してその効果を測定する
この2つの検証データを取ることにしたのです。
つづく・・・
※冒頭の写真は、本文とは無関係です。ネット上でマクドナルドの看板を探していたら面白いのを見つけたので借用しました。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年08月10日
- 10:19
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