「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その65
第8章 番外編
⑤戦略の優先順位1番は「販売促進策」や「QSC向上策」「お客様満足向上」だとは限らない・・・スタッフ不足の店は、リクルートと店舗イメージの改善から始めよう
「今日は、6ヶ月間の販売促進策を決める日だぞ!販促に関係ない話はここではする必要は無い!」
私が、大昔マクドナルドで店長をしていたときの話です。
当時のマクドナルドでは、半年に一度「6マンスプラン」と言う、店舗運営計画書を店長が作成し、統括スーパーバイザーや営業部長や販売促進部長の前で発表するという、店長にとっては非常に胃の痛い会議がありました。
私がまだ新人店長の頃のこの会議では、必死でプレゼンテーションした私の計画に対して、上司は「つまらん、やり直せ!」と言って、突っ返され、徹夜で作成し直して提出した苦い思い出がありましたので、何年かたって中堅クラスの店長になっても、6マンスプランの発表時の緊張感は、いつも破裂寸前くらいまで膨らんでいたのでした。
この日は、私が大阪ミナミ繁華街のど真ん中にある店に着任した当月に行われた「6マンスプラン発表会」でした。私は、この店の売上げを向上させる計画として、たったひとつだけ発表をしたのです。
「3ヶ月で現在のスタッフ数を40人から120人にして、6ヶ月後には、売上げを1.5倍にします」
ただこれだけを発表しました。
もちろん、私にはこの「スタッフ数を3倍に増やす計画」だけで、売上げを「1.5倍」に増やす自信があったので「販売促進策」として「スタッフ数の充実」を掲げたのでした。
しかし、部長はそれを受け入れてくれませんでした。
冒頭の言葉に続きこう言いました。
「ひとを増やすことは当たり前のこと。そんなことは売上げ対策とは関係が無い。販促策を決めないと今日この会議をやっている意味が無いだろ!」
そんな上司に対して私は、
「スタッフが不足している状態で販促策を打っても効果は半減します。」
さらに続けます。
「まずは、徹底的にスタッフの数を増やして安定させることに集中するべきです。この店は長い間、スタッフ不足を放置してきたのです。現在の40人なんてあり得ません。120人は必要なんです。だから3ヶ月で120人にします。その分人件費はかかりますが、6ヶ月後には必ず取り戻して見せます。販売促進策は、その次の6ヶ月後から実施させて下さい。」
ま、若気の至りとでも言うのでしょうか。生意気盛りであった私は、目をつり上げて部長に反論し、同時に自分の決意を必死で表明したのでした。
もの凄い緊張感で臨んだ6マンスプラン発表会でしたが、私には確信を持って「売上げ対策」を計画した自負がありました。なので、販促策ではなく、スタッフ充足策こそが、今この店に必要なんだと強調したのです。
店長は現場にいます。本社にいる上司にはそのことの意味の大きさを忘れているひとが多いのです。
店長達は、「本当は、この店が一番先に解決しなくてはならないのは何なのか」を知っています。毎日毎日それを肌身で感じているからです。
しかし、元々現場にいたはずのスーパーバイザーやエリアマネジャー、さらに部長や経営者はそれをすっかり忘れて、「店長は頼りない。言い訳ばかりしている。自分が理想的な施策を指示命令しなくては店の売上げなど上がらない。」と思っている人が多いのです。(もちろん、そうではない素晴らしい上司もたくさんいますよ。)
自己主張出来ない店長にも少なからず問題や責任はあると思いますが、やはりサラリーマンは、上司のポジションパワーには負けてしまうものです。上司たる者とは、部下である店長の感じている想いを「言い訳」ではなく「提案」として取らえて、その提案の実現の手伝いをする役目を持っている立場だと思うんですけどもね・・・
さて、そんな生意気な発表した私は、店舗に戻るとすぐに社員スタッフと、スタッフリーダーを集めて緊急会議を行いました。
つづく。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年08月12日
- 07:54
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