ああ~もったいない・・・トイレの臭いを芳香剤でごまかしてはいけない
「トイレには芳香剤を置くな!」
私がマクドナルドの店長をしていた頃、当時の営業部長から厳しく指導されたのが、「トイレの清掃」でした。
この方は、トイレ以外も店のあちらこちらの清掃基準について、細かく、厳しく、口うるさく、しかし、懇切丁寧に指導をして下さいました。
今も受け継がれる「マクドナルドの徹底した高いクレンリネス基準」は、この方の厳しい指導があったからに違いないと、私は信じています。
その厳しい指導の内のひとつが、「トイレに芳香剤を置くな」と言うものでした。
ファーストフードのトイレは、毎日たくさんのお客様が使用されます。当然のことながら、トイレ内には、徐々に徐々に臭いが付いてきます。いくら綺麗に使っていただいても、臭いは付いていきます。
そこで、誰もが頼りにしたくなるのが「芳香剤」。当時は、まだ「消臭剤」と言うものがなく、他の臭いでくさい臭いをごまかすというコンセプトの商品が主流でした。私たち凡人の発想は、「まあ、臭くなければ良いだろう~」というものでした。
しかし、この営業部長の意識はまったく違いました。
「臭いのは、清掃がきちんと出来ていないからだ!それを他の臭いでごまかすなんてもっての他である!」
全くもってその通りです。反論の余地はありません。
私たちは、叱られてしょぼんとして、その日から必死でトイレの掃除をするようになりました。
芳香剤を使わないトイレの掃除は、しっかりやっているかどうかの結果が、一瞬でわかります。だって、トイレのドアを開けたとたんにわかるのです。芳香剤は使えませんから(使うとすぐにばれちゃいます)とにかく清掃をするしかありません。
何ヶ月かに1回、この部長が店舗を訪問されるときの緊張感は、もう半端ないものだったのを今でも覚えています。
でも、おかげで、トイレだけではなく、客席も、厨房も、店舗周りも一生懸命に清掃をする習慣が付き、高い基準を持つことが出来きました。そして、その後、私の立場が変わっても、その基準やこだわりは一生懸命に維持しようとしたことを、自分では誇りに思っています。
あれから、30数年たちました。今は主にお客様の立場ではありますが、未だに、その清掃基準は持ち続けています。レストランでも、コンビニでも、ショッピングセンターであっても、はたまたホテルや旅館であっても、その店に入る前には、駐車場周りの清掃状態を確認し、自動ドア周辺、窓硝子、イス・テーブルのがたつきなどを無意識に確認してしまいます。今でも、その店の清掃意識レベルで、その店の店長のレベルがすぐにわかります。
まあ、そこまで細かいところを見るお客様は、ほとんどいないでしょう。しかし、飲食店コンサルタントの私は、その店の経営者、店長、スタッフの清掃に対する意識は、そのまま接客や味に間違いなく関連していることを知っています。
清掃基準の低い店は、間違いなくお客さまに対して「綺麗で清潔な場所で食事を提供して楽しんでいただく」という飲食業としてとても大事な意識が欠けているのです。
つまり、売上が苦しいと嘆く飲食店は、間違いなく、この「清掃に対する意識と基準」が低いのです。
だから、それがお客様にじわ~と伝わって、客足が遠のいているのです。
「トイレに芳香剤は置くな!」
この厳しい上司のひと言が、いかに大切なことであるか。
もったいない店の店長に、しっかりと伝えて行きますよ!
それが私のミッションだからね。
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2014年11月25日
- 08:11
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