「お客様に高い商品やもう一品をお薦めするなんて、なんだか押し売りをしているようでイヤなんです」
あるスタッフが、店長に訴えていました。
このレストランでは、新商品や季節商品などを扱っています。また、ドリンクやサイドメニューも扱いも豊富にあります。冬になると、自社製のおせち料理も販売をしています。
そんな中で、最近少しずつ客単価や客数が減少していることに危機感を持った店長は、スタッフ達に「もっと、新商品や単価の高い商品、また、サイドメニューなどのもう一品のお薦めをしてください」と、指示をしていたのです。
ところが、当のスタッフ達は、お客様に「お薦め」をすることに、罪悪感を持っているような口調で、冒頭の様に訴えてきたのです。
飲食店に限らず、コンビニやアパレルのような物販店でも、また、美容室やスポーツクラブのような技術やサービスを提供する店でも、お客様に上手に商品やサービスをお薦めできているところは、業績が良く、お客様の満足度も高いのです。もちろん、お客様は「押し売りをされた」なんてことはまったく思っていません。
こう言う店のスタッフ達には、お薦めが出来ないが為に、客単価が低下し、苦戦している店のスタッフが持っている「押し売りになるからイヤ」という意識など、これっぽっちもないのです。
それはなぜなのでしょうか？私は、業績の良い店のスタッフに尋ねてみました。
すると・・・
「私たちの自信のある商品をお薦めすることが、どうして『押し売り』になるのでしょうか？良くない商品や、イマイチ自信の無い商品をお薦めすることには、もちろん罪悪感がありますが、私たちの商品はそんなレベルの低いまがい物ではありません。だから、自信を持ってお薦めしています！」
参りました。さすがは、繁盛店のスタッフです。根本から意識が違います。
彼女たちは、自分達の商品に絶対の自信を持っていました。
その自信ある素晴らしい商品を、お客様にお薦めすることで、「お客様にも満足を感じて頂ける」と信じているのです。売上はその結果なのです。
逆に言うと、苦戦をしている店のスタッフ達は、もしかしたら店長以下全員が、自分達の商品に自信を持っていないのかも知れません。
なぜ、自信を持てないのでしょうか？
それは、「その商品を愛していないから」かも知れませんね。
そして、「その商品をもっとよい物にして行こう」という意欲が無いからかも知れません。
つまり、「自分達の商品やサービスを通じて、お客様に喜んでいただこう！」と真剣に考えていないと言うことかも知れません。
本心がどうかはわかりませんが、「押し売りになるからお薦めできない」という気持ちは、なんだか「後ろめたさ」の裏返しに感じます。本当に、良い商品だったら、その商品をお客様にお薦めして、喜んでいただけば良いのです。
本当に、喜んでいただきたいと思っているスタッフは、お薦めをしたときに、お客様の反応が悪いと感じたら、それ以上は、しつこくお薦めをしません。なぜならば、お薦めして売る事が目的ではなく、何よりも喜んでいただくことが目的なので、すぐに他の方法を考えます。その商品をお薦めすることだけが、お客様の為なのでは無いですからね。
自分が良いと思っても、相手がそう感じないこともあると言うことを知っているのです。
また、もしかしたら、まだまだその商品をお客様が喜んで頂けるレベルでは無いと謙虚に捉え、もっとレベルアップしなくてはいけない！と考えるのです。
一方で、苦戦している店のスタッフは、「とにかくこの商品を売らなきゃいけない」と考えてしまいます。
それは、店長や経営者が、「売上を上げること」ばかり求めるからなのです。
そもそも、店長や経営者がスタッフに与えている「目的」が違うのです。だから苦しくなるのです。
さて、あなたの店のスタッフは如何ですか？
目的を取り違えて、苦しんでいませんか？
あなたが、スタッフに求めているものは何ですか？
もしも、今苦戦をしているのならば、そこに復活のチャンスがあるかも知れませんよ。
※冒頭の写真は、とってもお薦めの上手なお店、大阪南堀江のクオールレルディーノのピッツアです。
私の大好きなお店のひとつです！
ホームページはこちら↓
http://www.cuorerudino.com/
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