店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「想う・・・想像する」その3
「相手の発言の背景を考えるときに、相手の性格や立場だけでなく、相手の心理状態を考えると、より精度の高い想像が出来るんだよ」
出来る店長にそう言われた若き店長はうなずきながら質問をしました。
「相手の心理状態ですか・・・確かに、相手の立場を理解するだけじゃあなく心理状態まで想像するとなると、面倒ですね」
「そう、僕たちは、相手の立場や性格を元に想像をしても、相手の心理状態まではあまり考えないんだ。だからついつい相手の気持ちを逆なでするような余計なことを言ってしまうんだ。これは、相手軸に立たずに、自分本位で話を聴いていると、よく落ちる罠なんだよ」
「確かに・・・僕も、つい言ってしまったことで相手を怒らせたり悲しませたりしたことがあります」
「そこに気がつくことが大切だね。じゃあ、相手の気持ちをもう少し深掘りしてみようか。君と話をしているときは相手はどんな気持ちなんだろう?」
「そうですね。いろんな気持ちがあるでしょうね」
1)店長に全部話して大丈夫だろうか?
2)不満はたくさんあるけれどそれを言ってしまうとどう思われるだろう?
3)他のスタッフの話をしたら悪口に思われないかな?
「これは不安な気持ちですね」
4)今自分は困っているから助けて欲しい
5)すごく不満があるから店長に訴えよう
6)店長の本当の考えを聴きたい
「これは、不安と言うよりも怒りや疑問かな・・・」
若き店長はホワイトボードにスタッフの気持ちを書き出しました。
「スタッフにもいろんな心理状態があるよね。この気持ちのどれがスタッフの本当の気持ちなのかについて推定する材料が、さっき書き出した9つの『相手の考えの基になる背景』だね。もちろん、決めつけちゃあいけないけれど,この背景を想像しながら相手の気持ちそのものを想像すれば、ちょっと相手に対する理解の仕方が変わってくると思わないかい?」
「そうですね・・・自分の都合や気持ちだけで考えていたらこんな風には理解出来ないですね。相手の表情や口調で決めつけちゃいけないですね」
「その通り。仮に相手が怒っている様子でも、悲しんでいる様子でも、笑っていても、表面で見えている表情と心の中の心理とは違うかも知れないんだ。僕たちは心理学者じゃあないから詳しいことは分からないけれど、そうやって相手の気持ちを理解するように心がけたら、『観る』『聴く』の結果、相手に対する理解や疑問も変わってくるんだよ。僕は、相手の心理状態を考えることでずいぶんと相手の発言の意味の解釈が変わったんだ」
そう言いながら、出来る店長は話をまとめました。
「ま、『そこには事実があるんじゃあない。解釈があるだけだ』と言う事だね」
「す、すごいですね。さすがです」
「あはは、これは哲学者のニーチェの言葉だよ。これ以外にはよく知らないけどね。まあ、こう考えた方が、自分の経験や感情に振り回されなくてすむような気がしているのさ」
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年07月02日
- 12:39
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